ＣＡＳＥ　先進　の裏に　後進

マナミ　先に進める、先進って、どういうものなの？
マサシ　先進とは、道の型となり、道を創るものだよ。
マナミ　先輩が、後輩を育てるのは、どうしてなの？
マサシ　育てると、苦労するから、損してしまうけど、
　　　　後進が集い、道が広がって、価値が高まるよ。
マナミ　一見して、教えることは、損に感じるけど、
　　　　巡り廻って、価値が高まる、徳に変わるのね。
マサシ　そうだよ、後進を介して、損を徳にするのさ。
マナミ　後に進める、後進って、どういうものなの？
マサシ　後進とは、道の形となり、道を作るものだよ。
マナミ　後輩が、先輩に尽くすのは、どうしてなの？
マサシ　尽くすと、苦労するから、損してしまうけど、
　　　　先進が説く、道が修まって、価値が伝わるよ。
マナミ　一見して、仕えることは、損に感じるけど、
　　　　巡り廻って、価値が伝わる、得に変わるのね。
マサシ　そうだよ、先進を解して、損を得にするのさ。
マナミ　先進は、徳を研くため、後進が必要であり、
　　　　後進には、才を磨くため、先進が必要なのね。
マサシ　そうさ、君も解ったら、皆に教えてあげてよ。
マサシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　先進　の先に　後進

サトミ　道を教える、先進って、どういうものかな？
メグミ　先進とは、価値を修めて、道を伝えるものよ。
サトミ　道を教わる、後進って、どういうものかな？
メグミ　後進とは、価値を求めて、道を修めるものよ。
サトミ　必ず、価値の有る所に、道が生まれるのかな？
メグミ　そうよ、価値が無い処に、道は産まれないの。
サトミ　価値が無いのに、無理に作ると、どうなるの？
メグミ　誰も集らないから、自ずから、道が廃れるよ。
サトミ　寂れた道に、不自然に集めると、どうなるの？
メグミ　道ではなくて、周りのものに、価値を望むよ。
サトミ　おかしいよ、傍のものこそ、価値は無いよね。
メグミ　もちろん、無いから、価値を装うようになる。
サトミ　例えば、段位や道具に、価値を付けるわけね。
メグミ　うん、価値の無いものを、有り難がるのよ。
　　　　でもね、いずれ化けの皮が、剥がされていく。
サトミ　そのとき、後輩の方から、去っていくのね。
メグミ　それを見て、ようやく、先輩も去っていくの。
サトミ　価値が無いと、教えるのは、後輩だったのね。
メグミ　先輩は、後輩を介さず、道の価値を解せない。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　先　と　道　と　後

サトシ　徳を司るもの、道って、どういうものかな？
アツシ　道とは、在りのまま、価値を伝えるものだな。
サトシ　型を司るもの、先って、どういうものかな？
アツシ　先進は、思いのまま、価値を具えるものだな。
サトシ　形を司るもの、後って、どういうものかな？
アツシ　後進は、想いのまま、価値を修めるものだな。
サトシ　そもそも、道って、空である器に過ぎないの？
アツシ　そうだ、移り変わる、世界を受け容れている。
サトシ　世の中に、価値が生じると、どうなるのかな？
アツシ　先ず、価値を具える者が、型として表れて、
　　　　続いて、価値を修める者が、形として現れる。
サトシ　確かな価値が、型に有るとき、どうなるの？
アツシ　道を介して、在りのままに、形が伝わるんだ。
サトシ　確かな価値が、型に無いとき、どうなるの？
アツシ　道を介さず、思いのままに、形が伝わるんだ。
サトシ　価値が無いと、欲を介すから、形が歪むのか。
アツシ　そうだ、欲に塗れ、歪なものが、産れて来る。
サトシ　型を越えて良いのは、良い形を修めた後だね。
アツシ　ああ、俺が伝えたかったのは、まさにそれだ。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　後進なき先進　と　先進なき後進

サトミ　先進と後進、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　価値に臨む、先進って、どういうものかな？
メグミ　先進とは、価値を与えて、価値を研くものよ。
サトミ　価値を望む、後進って、どういうものかな？
メグミ　後進とは、価値を求めて、価値を磨くものよ。
サトミ　先進を望み、後進に臨まないと、どうなるの？
メグミ　後進なき先進なんて、唯の盲進に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、価値を修めても、価値を伝えないの？
メグミ　そうよ、価値を伝えない、先進は腐るだけよ。
サトミ　後進を望み、先進に臨まないと、どうなるの？
メグミ　先進なき後進なんて、只の転進に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、価値を求めても、価値を学べないの？
メグミ　そうよ、価値を学べない、後進は去るだけよ。
サトミ　先進だけでは、締め切って、荒んで行くし、
　　　　後進ばかりでは、諦め切って、廃れて逝くの？
メグミ　うん、先進と後進、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、後進を負い、先進を追っていくの？
メグミ　そうなの、先進を究め、後進を極めていくの。
サトミ　……………………！！