物語編
第二章 第三八話 概念編
第二章 才徳兼備
第三八回 才 の裏に 徳
才は、一つの欲を修め、得を生む力のこと
徳とは、全ての欲を収め、才を生む力のこと
才は、欲を深く修めて、欲を使いこなせること
徳とは、欲を広く収めて、才を遣いこなせること
有能は、欲を究めて、才を具えていること
欲は、損にも変わるし、得にも換わっていく
才を研く前は、労が多く、欲が損に変りやすく
才を磨いた後は、労が寡く、欲が得に換りやすい
万能は、才を極めて、徳を備えていること
才は、業にも変わるし、技にも換わっていく
徳を研く前は、欲が多く、才が業に変りやすく
徳を磨いた後は、欲が寡く、才が技に換りやすい
才徳兼備とは、才と徳を、兼ね備えること
才なき徳では浅く広く、徳なき才は狭く深い
才の段は、欲を業にして、我が才を使いこなし
徳の階では、欲を空にして、他の才を遣いこなす