物語編
第二章 第四一話 問答編
マサシ 万物斉同(バンブツセイドウ)とは?
アキラ 万物斉同は、荘子が説いた教えであり、
一元の道から、二元の陰陽を見とめれば、
いかなるものも、何も変らないということ。
畢竟、異なることは、等しいことと、等しい。
マサシ 区別(クベツ)は、どういうものですか?
アキラ 区別とは、変わるように、分けること。
つまり、変化するよう、分別をすること。
区別では、違いを認めて、等しさも認めて、
無意識的に、等しいことに、臨み続けている。
マサシ 差別(サベツ)は、どういうものですか?
アキラ 差別とは、固まるように、分けること。
つまり、固定するよう、分別をすること。
差別では、違いを認めて、等しさを認めず、
無意識的に、等しいことを、拒み続けている。
マサシ 智(チ)とは、どういうものですか?
アキラ 智では、区別に徹して、差別を撤する。
意識的に、異なるように、捉らえるほど、
無意識では、等しいように、捕らえられる。
意識して差が現れて、無意識の差が洗われる。
マサシ 痴(チ)とは、どういうものですか?
アキラ 痴では、差別に徹して、区別を撤する。
意識的に、等しいように、捉えていても、
無意識では、異なるように、捕らえている。
意識して差を生まず、無意識に差が埋まれる。