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物語編

第二章 第四二話 概念編

第二章    兼愛交利
第四二回 仁愛 の裏に 兼愛

 

仁愛は、情を掛ける、差別の有る愛のこと
兼愛とは、情を越えて、差別の無い愛のこと
仁愛は、近くの者だけを、不平等に愛すること
兼愛とは、遠くの者までを、平等的に愛すること

 

儒家は、身分に縛られている、偏愛を説く
弱い者は、いつも弱い者であり、変り得ない
だからこそ、助ける必要があると、援け続ける
偏愛は、下に臨む優しさであり、憎しみに変わる

 

墨家は、身分に縛られてない、汎愛を解く
弱い者も、いずれ強い者になり、換わり得る
だからこそ、育てる必要があると、鍛え上げる
汎愛は、上を望む厳しさであり、優しさを湛える

 

兼愛交利とは、身分を越え、平等に愛すと
他に与えた利が、巡り廻って、我に返ること
平等に愛するとき、詰りが消え、利が漏れない
不平等に愛するとき、詰りが生じ、利が巡らない

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