第二章 第四三話 問答編
マサシ 長幼有序(チョウヨウユウジョ)とは?
アキラ 長幼有序は、孟子が説いた教えであり、
人が守るべき、五つの教えの中のひとつ。
この五つの教えとは、父子有親、君臣有義、
更に、夫婦有別、長幼有序、朋友有信である。
マサシ 小人(ショウジン)は、どういうものですか?
アキラ 小人は、性悪であり、独善を働くもの、
独善では、他を律して、我を利するため、
放置すると、性に従がい、悪を重ねていく。
それゆえ、法で治めて、悪から善へと育てる。
マサシ 大人(タイジン)とは、どういうものですか?
アキラ 大人は、性善であり、至善に動くもの。
至善では、他を利して、我を律するため、
放置すると、性に従がい、善を重ねていく。
それゆえ、徳で治めて、善から徳へと育てる。
マサシ 真人(シンジン)とは、どういうものですか?
アキラ 真人は、無為であり、自然に至るもの。
自然では、他を受けて、我に容れるため、
放置すると、道に従がい、徳を重ねていく。
それゆえ、在るがまま、徳から道へと育てる。
キイ まともな、影響者は、存在していますか?
マコト 影響者の九分九厘が、地獄に堕ちます。
その中の一厘だけ、正しい影響者ですが、
小学生に、一厘を教えて、救いを説いても、
大学生には、外に頼るなと、悟りを解きます。
キイ 正しい影響者に、集う必要はないのですか?
マコト 誰かに頼り、誰かを寄らせる、小学生。
自らに依って、誰にも拠らない、大学生。
即ち、魂が幼い者ほど、群れる嫌いがあり、
蜜の間は群れますが、密が過ぎると荒れます。
キイ 影響者が、地獄に落ち易いのは、何故ですか?
マコト 億人に報いれば、億回で酬いられます。
故に、業を撒き散せば、業に巻き込まれ、
たとえ、悔い改めて、抜け出そうとしても、
自らが蒔いた、業に阻まれて、獄を抱きます。