ＣＡＳＥ　有為　の裏に　無為

マナミ　自我が為す、有為って、どういうものなの？
マサシ　有為とは、思いのままに、道を辿ることだよ。
マナミ　欲を持って、因を選ぶとき、どうなるのかな？
マサシ　どんな果でも、我が介されて、捕らわれるよ。
マナミ　自然に為す、無為って、どういうものなの？
マサシ　無為とは、在りのままに、道を辿ることだよ。
マナミ　徳を以って、因を択ぶとき、どうなるのかな？
マサシ　どんな果でも、我に解されず、囚われないよ。
マナミ　欲を持つことが、道に囚われる、原因なら、
　　　　最初から、欲を持たなければ、良く無くない？
マサシ　確かに、欲を抱かなければ、囚われないけど、
　　　　そもそも、欲を介さなければ、道を辿れない。
マナミ　う～ん、良く解からないの、どうすべきなの？
マサシ　欲を持ち、どんな因でも、選んで良いけど、
　　　　徳を以って、どんな果でも、受け容れるのさ。
マナミ　努めていれば、足りなくても、良いのかな？
マサシ　うん、行為そのものに、集中すれば良いのさ。
マナミ　う～ん、そんなこと、本当に出来るのかな？
マサシ　ほら、言わせたい果に、誘導したらダメだよ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　有為　の先に　無為

サトミ　無常である、有為って、どういうものかな？
メグミ　有為とは、思いのままに、行為することだよ。
サトミ　意志すると、変化するのは、どうしてなの？
メグミ　結果を望んで、取捨するから、壊れるのよ。
サトミ　何かを望むから、思いと違うと、考えるの？
メグミ　うん、だから、移り変わると、見ているのよ。
サトミ　無常でない、無為って、どういうものかな？
メグミ　無為とは、在りのままに、行為することだよ。
サトミ　意思すると、永続するのは、どうしてなの？
メグミ　結果に臨んで、受容するから、壊れないのよ。
サトミ　何も望まないと、想いと同じと、考えるの？
メグミ　うん、だから、在り続けると、見とめるのよ。
サトミ　そっか、過去の延長で、現在を捉えるから、
　　　　過去と比べて、移り変ったと、考えてしまう。
メグミ　いつも、現在だけ認めれば、移り変わらない。
　　　　現在から、意識が離れるから、遷り換わるの。
サトミ　すると、今を意識するのが、天の意思であり、
　　　　一方、前や後を意識するのが、人の意志なの？
メグミ　うふっ、移り変わることを、受け容れるのよ。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　有為　という　無為

サトシ　移り変わる、有為って、どういうものかな？
アツシ　有為とは、自我に依って、放り投げることだ。
サトシ　我が望みと、臨みが違うと、受け容れないの？
アツシ　いや、たとえ、合っていても、受け止めない。
サトシ　いずれ、飽きて、これは違うと、思い始める？
アツシ　そうだな、自我に塗れて、自然が歪んでいく。
サトシ　在り続ける、無為って、どういうものかな？
アツシ　無為とは、自然に拠って、受け止めることだ。
サトシ　我が望みと、臨みが合うと、投げ捨てないの？
アツシ　いや、たとえ、違っていても、放り投げない。
サトシ　いつも、謹んで、これで良いと、受け容れる？
アツシ　そうだな、自然に委ねて、自我を越えていく。
サトシ　つまり、自我に塗れるほど、有為転変となり、
　　　　逆に、自我を越えるほど、無為自然になるの？
アツシ　そうだ、捕われるから、透き間から零れるし、
　　　　逆に、囚らわれなければ、要る時には現れる。
サトシ　自我が、持っていても、持っていなくても、
　　　　常に、足りていると、思えるのが自然なんだ。
アツシ　こうして、有為転変すると、無為自然になる。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　無為なき有為　と　有為なき無為

サトミ　有為と無為、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　業に変わる、有為って、どういうものかな？
メグミ　有為とは、捕われながら、行為をすることよ。
サトミ　法に換わる、無為って、どういうものかな？
メグミ　無為とは、囚われないで、行為をすることよ。
サトミ　有為を望み、無為に臨まないと、どうなるの？
メグミ　無為なき有為なんて、唯の拘泥に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、業に変わるだけ、法に換わらないの？
メグミ　そうよ、悉く捕らわれて、拘り過ぎるだけよ。
サトミ　無為を望み、有為に臨まないと、どうなるの？
メグミ　有為なき無為なんて、只の看過に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、法に換わるだけ、業に変わらないの？
メグミ　そうよ、何も囚われない、通り過ぎるだけよ。
サトミ　有為だけでは、関り過ぎて、巻き込まれて、
　　　　無為ばかりでは、流し過ぎて、取り込めない？
メグミ　うん、有為と無為、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、無為を追い、有為を負っていくの？
メグミ　そうなの、有為を究め、無為を極めていくの。
サトミ　……………………！！