第二章　　　　君子政治
第四九回　尚賢　の裏に　尚愚

尚賢は、向上を歓び、優れた者を尊ぶこと
尚愚とは、下向を喜び、劣った者を貴ぶこと
尚賢は、賢に習いながら、互いに手を取り合い
尚愚とは、愚に倣いながら、互いに足を引き合う

甘言とは、損を知らせず、得だけ言うこと
損を負わず、得を追うほど、損が隠れていく
なるほど、刹那的に楽になり、民を愉しませる
しかし、結果的に苦しみになり、国が衰えていく

苦言とは、徳を報らせて、損まで云うこと
損を負って、徳を追うほど、損が現れてくる
たしかに、一時的に苦になり、民を悲しませる
しかし、最終的に楽しみになり、国が栄えてくる

君子政治は、君子が執り行う、政治のこと
君子とは、徳に優れている、私欲が無きもの
小人が、人の上に起つと、利が吸い上げられて
君子らが、民の上に立つと、利が降り注そがれる