第二章　　　才気縦横
第五十回　才　の裏に　財

才は、財を生み出す、私の気の巡りのこと
財とは、才が産み出す、公の気の廻りのこと
才にせよ、財にせよ、伝わせるなら、材となり
才にしても、財にせよ、滞らせるなら、罪となる

勝ちを増やそうとして、才を隠し秘めると
他者が修めないため、価値が伝わらなくなる
たとえ、勝ちが増えようと、価値が消えていく
価値なき才に、人は集まらず、孤独な勝利となる

勝ちを殖やそうとして、財を寄せ集めると
他者が収めないため、価値が広がらなくなる
たとえ、勝ちが殖えようと、価値が滅びていく
価値なき財に、民は潤おわず、罪深き財貨となる

他に仕えない才は、単なる無能に過ぎない
民に使えない財では、単なる死財に過ぎない
才を他の為に遣うなら、更に優れて返って来て
財を民の為に使うならば、更に増えて戻って来る