ＣＡＳＥ　財　の裏に　才

マナミ　利が流れ出す、財って、どういうものなの？
マサシ　財とは、利を産み出せる、得の現れのことさ。
マナミ　財は、得の象徴であり、損と得を越えないの？
マサシ　そうさ、誰か財を得ると、誰か財が損われる。
マナミ　じゃ、誰かが財を使い、利を産み出したら、
　　　　自らは、得するけど、他の人は得をしないの？
マサシ　うん、そんな使い方しか、財には出来ないよ。
マナミ　利が湧き出す、才って、どういうものなの？
マサシ　才とは、利を生み出せる、徳の表れのことさ。
マナミ　才は、徳の象徴であり、損と得を超えるの？
マサシ　そうさ、誰か才を得ても、誰も才を損わない。
マナミ　じゃ、誰かが才を磨き、利を生み出したら、
　　　　自らも、得するけど、他の人も得しているの？
マサシ　うん、そういう遣い方が、才には出来るのさ。
マナミ　徳の段の才ならば、奪い合いに為らないけど、
　　　　損得の階の財ならば、奪い合いに成るわけね。
マサシ　財を貯めるよりも、才を磨く方が、高度だよ。
マナミ　うん、自分の為にも、人々の為にもなるのね。
マサシ　中でも、こうして、理を説く才は、高等だよ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　財　の先に　才

サトミ　得が表われる、財って、どういうものかな？
メグミ　財とは、使えば使うほど、損われるものなの。
サトミ　財を使い、得を享けるとき、財が失われるの？
メグミ　得に応じた、損を受けないと、いけないのよ。
サトミ　財を渡さずに、得を享けるとき、どうなるの？
メグミ　手元の財が、罪に変わるから、損が貯まるよ。
サトミ　徳が現われる、才って、どういうものかな？
メグミ　才とは、遣えば遣うほど、磨かれるものなの。
サトミ　才を遣い、得を与えるとき、才が研かれるの？
メグミ　得に応じた、徳を受けないと、いけないのよ。
サトミ　徳の代わりに、財を受けるとき、どうなるの？
メグミ　手元の徳が、得に変わるから、徳を積めない。
サトミ　才を活かして、財を貰わないと、徳になって、
　　　　才を活かしても、財を貰えば、得でしかない。
メグミ　得を望めば、財が貯まるが、才が研かれず、
　　　　徳に臨むなら、財は貯まらず、才が磨かれる。
サトミ　う～ん、財を貰っても、才は研かれるでしょ。
　　　　あたしは、才を活かして、財を貯めたいなあ。
メグミ　うふっ、貯まっているのが、財なら良いけど。
サトミ　……………………

ＣＡＳＥ　財　という　才

サトシ　得として使える、財って、どういうものかな？
アツシ　財とは、貯めた分だけ、多く使えるものだな。
サトシ　我がために、財を使うと、どうなるのかな？
アツシ　我が得になり、其の分だけ、財が流れていく。
サトシ　他のために、財を遣うと、どうなるのかな？
アツシ　他の得になり、其の分だけ、財が流れてくる。
サトシ　徳として仕える、才って、どういうものかな？
アツシ　才とは、磨いた分だけ、広く仕えるものだな。
サトシ　我がために、才を使うと、どうなるのかな？
アツシ　我が得になり、其の分だけ、才が閉じていく。
サトシ　他のために、才を遣うと、どうなるのかな？
アツシ　他の得になり、其の分だけ、才が開いていく。
サトシ　得が貯まるのは、財として見えやすいけど、
　　　　徳が磨かれるのは、才として見えにくいよね。
アツシ　ああ、得より徳の方が、上位の概念だからな。
サトシ　そこで、財を集める才を、僕は磨こうと思う。
アツシ　いや、それは誰もが嵌まる、最悪な発想だな。
サトシ　目に見えて、財が貯まるのに、どうしてかな？
アツシ　やってみろよ、目に見えて、罪が貯まるから。
サトシ　……………………

ＣＡＳＥ　才のない財　と　財のない才

サトミ　財と才、どちらの方を、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　認めやすい利、財って、どういうものかな？
メグミ　財とは、目に見えている、得が表れたものよ。
サトミ　認めにくい利、才って、どういうものかな？
メグミ　才とは、目に見えてない、徳が現れたものよ。
サトミ　財を重んじて、才を軽んじると、どうなるの？
メグミ　才のない財なんて、唯の借財に過ぎないのよ。
サトミ　じゃ、得に為るけど、徳に成らないのかな？
メグミ　そうよ、減るしかない、財を弄ぶしかないよ。
サトミ　才を重んじて、財を軽んじると、どうなるの？
メグミ　財のない才なんて、只の凡才に過ぎないのよ。
サトミ　じゃ、徳に成るけど、得に為らないのかな？
メグミ　そうよ、磨くしかない、才を玩ぶしかないよ。
サトミ　財だけでは、使えるけど、減るばかりだし、
　　　　才ばかりでは、遣えるけど、磨くばかりなの？
メグミ　そうよ、財と才、その両方が、必要になるの。
サトミ　じゃ、才を研きながら、財を磨いていくの？
メグミ　うふっ、財を究めながら、才を極めていくの。
サトミ　……………………！！