物語編
第二章 第五三話 概念編
第二章 質実剛健
第五三回 実業 の裏に 虚業
実業は、才を働かせて、財を得る技のこと
虚業とは、財を動かして、財を得る業のこと
実業は、我が身を労させて、財を生み出すもの
虚業とは、他の者を労させて、財を奪い取るもの
自らが労を重ねると、自らの才が磨かれる
自らの技を活かし、誰かの思いを叶えるなら
感謝の印として、財が動くため、才は財となる
実なる業とは、喜ばせる技であり、罪が洗われる
自らが財を増やすと、誰かの財が失われる
自らの財を動かし、自らの想いを適えるなら
怨嗟の標として、財が動くため、財は罪となる
虚なる業とは、嘆かせる業であり、業が現われる
地に実業が増えると、確かな時代に変わり
地に虚業が殖えるほど、虚ろな時代に換わる
実直な時代は、先に現を見て、後に夢を適える
狡猾たる時代は、先に夢を見て、後で夢が醒める