第二章　　　胡蝶之夢
第六十回　夢　の裏に　現

夢は、眠っていると、表われる世界のこと
現とは、起きていると、現われる世界のこと
夢は、外が消えると、内に表われる世界であり
現とは、内が消えると、外に現われる世界である

夢の世を見るときに、夢の中に他が表れる
現の界に覚めるときに、夢の中の他が消える
現の世を見ているときに、現の中に他が表れる
真の界に覚めていくときに、現の中の他が消える

真の世を見るときに、真の中に我が表れる
現の界に眠れるときに、真の中の我が消える
現の世を見ているときに、現の中に我が表れる
夢の界に眠っていくときに、現の中の我が消える

夢の中で、人が蝶となる、夢を見ているか
現実の中で、蝶が人となる、夢を見ているか
我を人と捉えるにせよ、我を蝶と捉えるにせよ
どちらにしても、分けている限り、夢の中である