ＣＡＳＥ　行　の裏に　識

マナミ　サンスカーラ、行って、どういうものなの？
マサシ　行とは、時間の中に、積み重ねることなのさ。
マナミ　行は、何を原因にして、時間を積み重ねるの？
マサシ　過去を、原因にして、現在を結果にするのさ。
マナミ　（原因ならば）結果が、意識に介されるのね？
マサシ　うん、カッコの中は、無意識に隠れているよ。
マナミ　ヴィニャーナ、識って、どういうものなの？
マサシ　識とは、空間の中を、選り分けることなのさ。
マナミ　識は、何を条件にして、空間を選り分けるの？
マサシ　時間を、条件にして、現在を識別するのさ。
マナミ　因果（という条件）が、意識に解されるのね？
マサシ　うん、カッコの中は、無意識に隠れているよ。
マナミ　つまり、過去の時間を、条件として介して、
　　　　意識的に、現在の空間を、因果として解すの？
マサシ　そうさ、現在の空間をして、選り分けると、
　　　　無意識に、過去の時間として、積み重なるよ。
マナミ　そっか、空間を解しているのは、時間だし、
　　　　逆に、時間を流しているのは、空間なんだね。
マサシ　いつも、このように、行と識は繰り返すのさ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　行　の先に　識

サトミ　意に介される、行って、どういうものかな？
メグミ　行とは、意に介するほど、積み重なることよ。
サトミ　それなら、気にしなければ、積まれないの？
メグミ　そうよ、捕われなければ、意に重ならないの。
サトミ　意に解される、識って、どういうものかな？
メグミ　識とは、意に解するほど、選り分けることよ。
サトミ　それなら、気にしなければ、分かれないの？
メグミ　そうよ、囚われなければ、意が解からないの。
サトミ　じゃ、意味を解さず、意識に重ならないし、
　　　　反対に、意識を介さず、意味は分かれないの？
メグミ　うん、意に捕われないと、そうなるけれど、
　　　　過剰に、意に囚らわれると、そうならないの。
サトミ　即ち、意が欠けていると、行も識も無いけど、
　　　　反対に、意に掛けていると、識も行も生じる。
メグミ　うん、意に捕われるから、意味や意識が偏り、
　　　　さらに、意に囚われるから、行も識も偏るの。
サトミ　しっかり、意に掛けても、意に捕らわれない。
　　　　捉えて、捕われないなんて、不自然じゃない。
メグミ　捕らえて、囚われてもいいよ、不自然でもね。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　識のない行　と　行のない識

サトミ　行と識、どちらの方を、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　意を介すこと、行って、どういうものかな？
メグミ　行とは、時間を重ね、意識を造り出すことよ。
サトミ　意を解すこと、識って、どういうものかな？
メグミ　識とは、空間を分け、意味を作り出すことよ。
サトミ　行を重んじて、識を軽んじると、どうなるの？
メグミ　識のない行なんて、唯の無意味に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、時間を介しても、空間を解さないの？
メグミ　そうよ、意味が解されず、意味が無くなるの。
サトミ　識を重んじて、行を軽んじると、どうなるの？
メグミ　行のない識なんて、只の無意識に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、空間を解しても、時間を介さないの？
メグミ　そうよ、意識が介されず、意識が無くなるの。
サトミ　行だけでは、意味が欠ける、時間を掛ける。
　　　　識ばかりでは、意識を掛けて、空間が欠ける。
メグミ　そうよ、行と識、そのどちらも、必要なのよ。
サトミ　じゃ、識を究めながら、行を極めていくの？
メグミ　うふっ、行を超えながら、識を越えていくの。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　人の振り見て　我が振り直せ　

サトミ　あたしね、マサシのことが、好きじゃないの。
メグミ　う～ん　彼は、いろいろ、教えてくれるけど。
サトミ　そこなの、偉そうに見えて、好きじゃないの。
メグミ　じゃあ、偉そうに見える人が、嫌いなのね。
　　　　どうして、嫌ってしまうか、何か思い当たる？
サトミ　どうしても、こうしても、当たり前じゃない。
　　　　とにかく、偉そうにしては、絶対に駄目なの。
メグミ　そっか、偉そうな態度に、とても敏感なのね。
サトミ　うん、偉そうにすることは、絶対に禁止なの。
メグミ　自分は、そうしないよう、抑えているのね。
サトミ　うん、偉そうにしないのが、大人の分別なの。
メグミ　じゃあ、抑え込まないと、偉そうにしちゃう、
　　　　あなたは、本当の所は、偉そうにしてたいの？
サトミ　う～ん、そう言われると、そうかもしれない。
メグミ　偉そうに、見えている彼と、為っていく自分。
　　　　両者は、自ずと偉そうな点で、良く似てない？
サトミ　そんなに、あたしって、偉そうに見えるの？
メグミ　うふっ、わたしには、偉そうに見えないけど、
　　　　ほら、偉そうな人には、偉そうに見えるかも。
サトミ　……………………！！