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物語編

第三章 第五話 概念編

第三章  五蘊無我
第五回 名 の裏に 色

 

名は、時間に表われる、意識を隔するもの
色とは、空間に現われる、意味を画するもの
名は、心の要素にして、意識に属すものであり
色とは、身の要素にして、意味に属すものである

 

名とは、札を貼りながら、意識を模ること
Aに名を付けるとき、非Aを意識し難くなる
表の札に囚われて、隠れている、裏が見えない
即ち、AやBが強くなり、非Aや非Bが弱くなる

 

色とは、型に嵌めながら、意味を象ること
Aに色を着けるときは、Bを意味し難くなる
或る対立に捕われて、隠された、他が見えない
つまり、Aと非Aが強くなり、BやCが弱くなる

 

五蘊は、色、受、想、行、識の五つの蓄積
前一者は、物質であり、意味の集まりであり
後四者とは、精神であり、意識の集まりである
いずれにせよ、この五つは、我がものと言えない

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