第三章 第六話 問答編
マサシ 十二処(ジュウニショ)とは?
アキラ 十二処とは、六根と六境を合せたもの。
梵語では、アーヤタナと、呼ばれるもの。
根は眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識。
境とは色境、声境、香境、味境、触境、法境。
マサシ 根(コン)とは、どういうものですか?
アキラ 根とは、積み重なり、内に隠れること。
梵語、インドリャーニと、呼ばれるもの。
五根は、信根、勤根、念根、定根、慧根で、
各々、信心、精進、集中、瞑想、智慧である。
マサシ 力(リキ)とは、どういうものですか?
アキラ 力とは、機が熟して、外に現れること。
梵語では、バラーニと、呼んでいるもの。
五力は、信力、勤力、念力、定力、慧力で、
各々、信心、精進、集中、瞑想、智慧である。
マサシ 信(シン)とは、どういうものですか?
アキラ 信とは、信心であり、信仰を示すもの。
梵語では、シュラッダー、呼ばれるもの。
信心の根は、真理を望む、信仰の根であり、
信心の力とは、真理に臨む、信仰の力である。
マサシ 勤(ゴン)とは、どういうものですか?
アキラ 勤とは、精進であり、精勤を示すもの。
梵語では、ヴィーリャ、呼んでいるもの。
精進の根は、欲を有する、精勤の根であり、
精進の力とは、徳を有する、精勤の力である。
マサシ 念(ネン)とは、どういうものですか?
アキラ 念とは、専心であり、集中を示すもの。
梵語では、サティと、呼ばれているもの。
専心の根は、形を認める、集中の根であり、
専心の力とは、型を認める、集中の力である。
マサシ 定(テイ)とは、どういうものですか?
アキラ 定とは、禅定であり、瞑想を示すもの。
梵語では、サマーディ、呼んでいるもの。
禅定の根は、自然を望む、瞑想の根であり、
禅定の力とは、自然に臨む、瞑想の力である。
マサシ 慧(エ)とは、どういうものですか?
アキラ 慧とは、般若であり、智慧を示すもの。
梵語では、パンニャー、呼んでいるもの。
般若の根は、自然を介す、智慧の根であり、
般若の力とは、自然を解す、智慧の力である。