物語編
第三章 第十一話 概念編
第三章 至心信楽
第十一回 苦 の裏に 信
苦は、良くを望むときに、飽くに臨むこと
信とは、飽くに臨むときに、解くを望むこと
苦は、良くから飽くまで、欲に塗れる段であり
信とは、飽くから解くまで、欲を越える階である
楽とは、良くを望むとき、良くに臨むこと
楽しいと、欲を愉しむため、信を抱きにくい
欲とは、良くに臨むとき、更に良くを望むこと
楽しいと、得が満ちていて、別の得を求めやすい
苦とは、良くを望むとき、飽くに臨むこと
苦しいと、欲を悲しむため、信を抱きやすい
徳とは、飽くに臨むとき、欲を解くに臨むこと
苦しいと、得が欠けていて、別の徳を求めやすい
苦は、良くから飽く、欲に塗れる段であり
空とは、飽くから空く、欲を越える階である
欲を持って、楽を望んで、苦に臨んだ時こそが
解くを以って、空を望んで、徳に臨める刻である