物語編
第三章 第十二話 物語編
第三章 悦 と 喜
第十二話 苦が消える悦 と 苦を越える喜
[実際、この時の軸では、この子かと思う子に、
前世の持ち物を見せて、その子を試すようだけど、
如何なる儀式に倣っても、後付けの説明に過ぎない。]
[老師が、形だけの解を、貴方に望むだろうか。
あらゆる形を生み出す、型を望んでいるはずだよ。
色界を見せて貰ったのは、この時のためじゃないか。]
なるほど、如何な理由を、欲界で探してみても、
色界で、型を認めない限り、形は変わってしまう。
一度、信じられた理屈も、いずれ信じられなくなる。
逆に、色界の型を認めて、欲界で形を作り上げ、
直々に、老師から預かった、使命を果たすならば、
理由など、何も求めないでも、老子を認めるだろう。
そうか、そもそも、理屈など、要らない道理か。
あらゆる理由は、理屈を超える、方便に過ぎない。
方便に囚われ、越えられないのは、本末転倒である。
こんな仕掛けを創った、老師は何者だと聞くと、
こんな仕組に気づく、君は何者だと彼女は答えた。
それは貴女もだろうと、私が言うと彼女は微笑んだ。