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物語編

第三章 第十二話 問答編

マサシ 帰依(キエ)は、どういうものですか?

 

アキラ 帰依は、頼りにして、選ぶことであり、
    梵語では、サラナとも、呼んでいるもの。
    自帰依とは、他に寄らず、自らに依ること。
    法帰依は、我に拠らず、法に依っていること。

 

マサシ 悦(エツ)は、どういうものですか?

 

アキラ 悦とは、外なる歓びで、身体的なもの。
    梵語では、パーモッジヤ、呼ばれるもの。
    悦とは、苦が現れない、相対の歓びであり、
    我が外に表れるため、身が動くと消えていく。

 

マサシ 喜(キ)とは、どういうものですか?

 

アキラ 喜とは、内なる歓びで、精神的なもの。
    梵語では、ピーティーと、呼ばれるもの。
    喜とは、苦に塗れない、絶対の歓びであり、
    我が内に現れるため、身が動いても消えない。

 


 

シマネ あなたの背景は、どのようなものですか?

 

マコト この会堂は、外に惑わされることなく、
    内を見つめて、真理を修めていく場です。
    外に根拠を求めるほど、悟り難くなるため、
    我々が何者かなどは、考えない方が良いです。

 

    物語編の内容を、完全に読み解ければ、
    覚醒へと導かれる、仕組が整っています。
    典拠、信仰、審神者、他に必要ありません。
    どうぞ、穢すことなく、真理に臨んで下さい。

 

シマネ あなたに、素性を明かした方が良いのですか?

 

マコト たとえ、あなたが、何処に居ようとも、
    既に、内なるものに、見守られています。
    我々は、それを報せる、使徒に過ぎません。
    人を介して、神に訴える、必要は有りません。

 


 

アソ  授記(未来に如来になる保証)が欲しいです。

 

マコト 外に証を望む限り、如来に至れません。
    如来は、あなたの内、胸に宿っています。
    内に臨まず、外に望めば、彷徨い続けます。
    外なる保証に頼りたい、弱さを越えて下さい。

 

アソ  確かに、私は弱いので、外に導師が必要です。

 

マコト あなたは、外の如来に証を求めますが、
    何を根拠に、その者を如来と考えるのか。
    その者が、何を根拠に如来を自認するのか。
    省みると覚めるでしょう、類は友を呼びます。

 


 

モバラ どうして、表に出て来ないのですか?

 

マコト 私は、外なる者に、導かれることなく、
    独りで、内に臨んで、真理に至りました。
    即ち、これを型にして、切り拓かれる道は、
    誰でも、外に頼らず、独りで悟れる仕組です。

 

    これは、余り見られない、仕組であり、
    それこそ、弥勒の世に続く、正道ですが、
    ここで、私が、のこのこ、表に出て行けば、
    よくある、宗教のひとつに、成り上がります。

 

    弥勒の世は、外に在らず、内こそ在り。
    私が、外に出れば、弥勒の道は潰えます。
    それを、勿体ないと、価値が分かる人々が、
    この道を、独り進んで、菩薩に生れ変ります。

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