第三章 第十四話 問答編
マサシ 三昧(サンマイ)は、どういうものですか?
アキラ 三昧は、元の意味では、組み合わせで、
梵語では、サマーディと、呼ばれるもの。
三昧は、Aと非Aを等しく、組み合わせて、
主体と客体が組み合さり、究極の瞑想になる。
マサシ 業(ゴウ)とは、どういうものですか?
アキラ 業は、元の意味では、「行為」であり、
梵語で、「カルマ」と、呼んでいるもの。
行為には、善い行もあり、悪い行もあるが、
何故か、悪い行だけを、業と呼ぶことが多い。
マサシ 徳(トク)とは、どういうものですか?
アキラ 徳は、元の意味では、「性質」であり、
梵語で、「グナ」とも、呼んでいるもの。
性質には、善い性もあり、悪い性もあるが、
何故か、善い性だけを、徳と呼ぶことが多い。
マサシ 央掘摩羅とは、どういうものですか?
アキラ 央掘摩羅は、釈尊の弟子の一人であり、
巴語で、アングリマーラと呼ばれている。
その元の名は、アヒンサ(非暴力)であり、
幼少から、容姿に優れて、智慧に秀でていた。
師に就いて、ヴェーダを学んでいたが、
師の妻が、彼に邪な恋心を抱き誘惑した。
彼が、これを断わると、妻は夫に讒言した。
怒り狂った師は、彼に剣を渡して言い付けた。
「街の通りで、出会った者を順に殺し、
その指を切り取り、首飾りを完成させろ。
千人の指が集まれば、汝の修行は完成する。」
彼は、悩んだ末に、師の命令に従って行った。
そして、いよいよ、千人目に至った時、
通りで出会った相手は、釈迦牟尼だった。
釈尊は、彼に法を説いて、悔い改めさせて、
彼は、我が罪を悔いて、釈尊の弟子となった。
仏弟子になった後、托鉢に出かけると、
彼は、人々から、大いなる迫害を受けた。
しかし、これらを、罪の報いと捉えたため、
カルマが落ち切って、大いなる悟りを開いた。