物語編
第三章 第十五話 問答編
マサシ 味著(ミジャク)は、どういうものですか?
アキラ 味は、煩悩に生まれる、善い面であり、
梵語で、アッサーダとも、呼ばれるもの。
もし、善い面を味わい、悪い面を避けると、
味著に囚われるため、煩悩に捕われてしまう。
マサシ 過患(カカン)とは、どういうものですか?
アキラ 患は、煩悩に埋まれる、悪い面であり、
梵語で、アディナヴァと、呼ばれるもの。
もし、善い面を知らず、悪い面に患らうと、
過患に囚われるため、煩悩に捕われてしまう。
マサシ 出離(シュツリ)は、どういうものですか?
アキラ 離は、煩悩に囚われず、越えることで、
梵語で、ニッサラナとも、呼ばれるもの。
もし、善い面を味わい、悪い面を患らうと、
苦楽に捕われてなくなり、煩悩を越えられる。
マサシ 苦苦(クク)とは、どういうものですか?
アキラ 苦苦とは、苦痛による、苦しみのこと。
梵語で、ドゥッカ・ドゥッカと呼ばれる。
苦苦とは、楽に拠らない、直接の苦のこと。
原因に関する苦であり、原因が生じて現れる。
マサシ 行苦(ギョウク)は、どういうものですか?
アキラ 行苦とは、生起による、苦しみのこと。
梵語で、サンスカーラ・ドゥッカである。
行苦とは、未だ無い、楽が得られないこと。
結果に関する苦であり、結果が生じて現れる。
マサシ 壊苦(エク)とは、どういうものですか?
アキラ 壊苦とは、壊滅による、苦しみのこと。
梵語、ヴィパリナーマ・ドゥッカである。
壊苦は、既に有する、楽が消えていくこと。
条件に関する苦であり、条件が変わり現れる。