物語編
第三章 第十六話 問答編
マサシ 苦諦(クタイ)とは、どういうものですか?
アキラ 苦諦は、苦の存在に関する真理であり、
梵語では、ドゥッカ・サティヤ、である。
愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。
以上に加えて、生老病死の四苦を説いている。
マサシ 集諦(ジッタイ)は、どういうものですか?
アキラ 集諦は、苦の生起に関する真理であり、
梵語では、サムダヤ・サティヤ、である。
生起は、原因と条件、その両方が揃うこと。
原因と条件が揃うとき、その結果が生起する。
マサシ 滅諦(メッタイ)は、どういうものですか?
アキラ 滅諦は、苦の滅尽に関する真理であり、
梵語では、ニローダ・サティヤ、である。
滅尽は、原因と条件、その原因を滅すこと。
条件が揃っても、原因が無ければ結果も無い。
マサシ 道諦(ドウタイ)は、どういうものですか?
アキラ 道諦は、苦の滅尽の方法の真理であり、
梵語では、マールガ・サティヤ、である。
七科三十七道品の、八正道を修めることで、
苦しみの滅尽が、可能であると説かれている。