物語編
第三章 第二九話 概念編
第三章 涅槃寂静
第二九回 輪廻 の裏に 涅槃
輪廻は、二元を巡って、苦楽に塗れること
涅槃とは、一元に到って、苦楽を越えること
輪廻は、転生を持って、無常が究められること
涅槃とは、解脱を以って、無我が極められること
無常とは、諸々の苦、その原因となるもの
二元は移り変わるから、苦しみが生れて来て
一元は遷り換わらず、苦しみは生まれて来ない
つまり、転生する限り、苦しみから逃れ切れない
無我とは、諸々の苦、その条件となるもの
自我に捕らわれるから、苦しみが生れて来て
自我に囚われないと、苦しみは生まれて来ない
つまり、解脱する限り、苦しみを乗り越えられる
涅槃寂静とは、結果を司る、三宝印のこと
諸々の苦は、実体がないため、掻き消される
輪廻は、無常を迎えながら、無我に向っていて
涅槃では、無我を迎えながら、無常に向っている