第三章 第二九話 問答編
マサシ 涅槃寂静(ネハンジャクジョウ)とは?
アキラ 涅槃寂静は、果を司る、三宝印のこと。
梵語は、ニルヴァーナ・ヴューパサーマ。
煩悩を越えて、寂静が現れる、ということ。
寂静が結果となり、涅槃に表れるようになる。
マサシ 輪廻(リンネ)とは、どういうものですか?
アキラ 輪廻は、闇が現われる、二元の境地で、
梵語では、サンサーラと、呼ばれるもの。
輪廻は、因が現われて、果が表われてくる。
因と果を繰り返して、生と死の境地に塗れる。
マサシ 涅槃(ネハン)とは、どういうものですか?
アキラ 涅槃は、闇が洗われる、一元の境地で、
梵語では、ニルヴァーナ、呼ばれるもの。
涅槃は、因が洗われて、果が表れてこない。
因と果を乗り越えて、空、そのものに達する。
スズカ この大峠の日々は、いつまで続くのですか?
マコト 大峠の中に在って、生に感謝が出来る。
そういう人から、弥勒の世に導かれます。
この大峠の目的は、悔い改めることであり、
終わる日を望み、生き残ることではないです。
弥勒の時代まで、生き長らえるために、
何を食べるべきか、何を避けるべきか等。
このような考え方は、末法の捕え方であり、
正法の捉え方とは、真逆であり遠ざかります。
この大峠こそ、人類の真価が試されて、
他に類を見ない、人類の進化の時だった。
大峠を越えた者は、此の様に感じています。
即ち、大峠の世こそ、弥勒の世そのものです。
確かに、余裕は無いが、絶望は感じず、
苦しい中、神を観じられ、希望を観じる。
自分が、成長できることが、何より嬉しい。
そのうち、此の様な型が、生まれるでしょう。