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物語編

第三章 第二七話 対話編

CASE 正法 の裏に 邪法

 

マナミ ねぇ、ダルマ、正法って、どういうものなの?
マサシ 正法とは、勧善懲悪を説く、正しい法なのさ。
マナミ 勧善懲悪は、どういう時代に、説くものなの?
マサシ 世の中に、苦しみが多くて、信が生じる時さ。
マナミ 信心が深い、苦しむ人に、どのように説くの?
マサシ 他の苦を、負っているほど、善い業を積み、
    自らの苦を、忍んでいるほど、悪い業を摘む。
マナミ この教え、楽しむ人々には、説かないのかな?
マサシ 善いと思い、慢心する人には、説けないのさ。
マナミ じゃ、アダルマ、邪法は、どういうものなの?
マサシ 邪法とは、自業自得を解く、邪なる法なのさ。
マナミ 自業自得は、どういう時代に、解くものなの?
マサシ 世の中に、楽しみが多くて、信が滅する時さ。
マナミ 信心が薄い、楽しむ人に、どのように解くの?
マサシ 他の楽を、奪っているほど、悪い業を積み、
    自らの楽に、耽っているほど、善い業を摘む。
マナミ この教え、苦しむ人々には、解かないのかな?
マサシ 悪いと想い、腐心する人には、解けないのさ。
マナミ そうかな、わたしは説いて、善いと思うけど。
マサシ ……………………

 


 

CASE 正法 の先に 邪法

 

サトミ 善を勧める、正法って、どういうものかな?
メグミ 正法とは、人々に勧める、勧善懲悪の教えよ。
サトミ 善を勧めて、悪を懲らすと、どうなるのかな?
メグミ 飽くから、良くに進んで、明るい世になるよ。
サトミ 乱世に、正法を説くと、治世に導かれるのね。
メグミ 世の人が、希望を観じて、欲を持ち始めるよ。
サトミ 悪を進める、邪法って、どういうものかな?
メグミ 邪法とは、時間を進める、自業自得の教えよ。
サトミ 悪も進めて、善も早めると、どうなるのかな?
メグミ 良くから、飽くに進んで、暗い世になるのよ。
サトミ 治世に、邪法を解くと、乱世に誘われるの?
メグミ 世の人が、絶望を感じて、信を抱き始めるよ。
サトミ 善人は、信が深いから、勧善懲悪を説いて、
    悪人には、信が浅いから、自業自得を解くの?
メグミ 信が有れば、実践の教えを、説けるけれど、
    信が無ければ、事実の教えを、解くしかない。
サトミ 出来るだけ、自由にして、欲を加速させると、
    速やかに、良くが窮まって、苦しくなるのね。
メグミ うふっ、その時になれば、聞いてくれるかも。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 正法 という 邪法

 

サトシ 苦しみ多き、衰退の時代、どんな法を説くの?
アツシ 乱世には、勧善懲悪という、正なる法を説く。
サトシ 具体的には、どのような法を、説くのかな?
アツシ 楽に為るから、善を積むべきと、説かれて、
    苦が消えるから、悪を摘むべきと、説かれる。
サトシ 楽しみ多き、繁栄の時代、どんな法を解くの?
アツシ 治世には、自業自得という、邪なる法を解く。
サトシ 具体的には、どのような法を、解くのかな?
アツシ 苦に為るから、悪を積むべきと、解かれて、
    楽が消えるから、善を摘むべきと、解かれる。
サトシ それって、解かなくても、末法そのものでは?
アツシ だから、解くだけ、敢えて、説く者も居るが。
サトシ 法として、これを説く人なんて、存在するの?
アツシ 自業と自得を、自由と平等に、言い換えて、
    さも、望ましい物のように説く、彼らの事だ。
サトシ ええっ、自由と平等って、自業と自得のこと?
アツシ 自由に原因を選び、平等に結果を得るだろう。
サトシ 今まで、自由と平等、良い物だと説いてたよ。
アツシ やってしまったな、でも、それも自業自得だ。
サトシ ……………………

 


 

CASE 邪法なき正法 と 正法なき邪法

 

サトミ 正法と邪法、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 勧善懲悪の、正法って、どういうものかな?
メグミ 正法とは、善人は順って、悪人は逆らう法よ。
サトミ 自業自得の、邪法って、どういうものかな?
メグミ 邪法とは、善人も順って、悪人も従がう法よ。
サトミ 正法を望み、邪法に臨まないと、どうなるの?
メグミ 邪法なき正法なんて、高邁な理想に過ぎない。
サトミ じゃ、善人は順うけど、悪人は従わないの?
メグミ そうよ、理想を説いても、悪人は笑うだけよ。
サトミ 邪法を望み、正法に臨まないと、どうなるの?
メグミ 正法なき邪法なんて、残酷な現実に過ぎない。
サトミ じゃ、悪人は従うけど、善人は順えないの?
メグミ そうよ、現実を解いても、善人は泣くだけよ。
サトミ 正法だけは、悪い性の人が、耐えらえない。
    邪法ばかりは、善き性の人が、堪えられない?
メグミ うん、正法と邪法、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、邪法を負い、正法を追っていくの?
メグミ そうなの、正法を究め、邪法を極めていくの。
サトミ ……………………!!

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