物語編
第三章 第三一話 概念編
第三章 部派仏教
第三一回 小乗 の裏に 大乗
小乗は、業を離れる、小さな乗り物のこと
大乗とは、業を越える、大きな乗り物のこと
小乗は、因果が消えても、条件が残ってしまい
大乗では、因果を超えると、条件も越えてしまう
小乗は、条件を認めず、因果を離れること
他の者が、居ないが如く、捕らえる様に努め
徐々に、我が条件を狭めて、他の条件を見ない
小乗では、他の縁に触れると、涅槃が崩れていく
大乗は、条件を見とめ、因果を越えること
他の者を、我が事の如く、捉らえる様に努め
次第に、我が条件を広げて、他の条件を認める
大乗では、他の縁に触れても、涅槃が壊われない
小乗のない大乗は、単なる偽善に過ぎない
大乗のない小乗では、単なる独善に過ぎない
小乗の段は、解脱を持って、小さな涅槃を望み
大乗の階では、済度を以って、大きな涅槃に臨む