ＣＡＳＥ　欲界　の裏に　色界

マナミ　カーマ・ローカ、欲界は、どういうものなの？
マサシ　欲界とは、欲を突き詰める、欲の界のことさ。
マナミ　欲に囚われて、業が重なると、どうなるの？
マサシ　因から果に、つまり、時間が流れていくのさ。
マナミ　欲の世界では、時間が、直線的に流れるの？
マサシ　うん、寿命を有する、衆生が生まれてくるよ。
マナミ　ルーパ・ローカ、色界は、どういうものなの？
マサシ　色界とは、型を受け容れる、徳の界のことさ。
マナミ　型を見とめて、形が重なると、どうなるの？
マサシ　型から形に、つまり、空間が現れてくるのさ。
マナミ　型の世界では、空間が、配役的に広がるの？
マサシ　うん、使命を有する、菩薩が埋まれているよ。
マナミ　色界に、埋まれている、菩薩が型を創って、
　　　　欲界まで、生まれてくる、衆生が形を作るの？
マサシ　そうさ、色界を越えて、欲界は動けないのさ。
マナミ　となると、欲界の地獄から、天界に至るまで、
　　　　それぞれに、対応する雛型が、色界に在るの？
マサシ　うん、始まりから、終わりまで、その通りさ。
　　　　そして、欲界を抜け出す型も、色界に在るよ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　欲界　の先に　色界

サトミ　衆生が集う、欲界って、どういうものかな？
メグミ　欲界とは、煩悩を持って、輪廻する世界だよ。
サトミ　衆生が行う、輪廻って、どういうものなの？
メグミ　輪廻では、良くから飽く、これを繰り返すの。
サトミ　欲に憑かれ、楽しむはずが、苦しくなるの？
メグミ　欲界では、欲が深いほど、自ら悩んでいくよ。
サトミ　菩薩が集う、色界って、どういうものかな？
メグミ　色界とは、菩提を以って、済度する世界だよ。
サトミ　菩薩が行う、済度って、どういうものなの？
メグミ　済度では、飽くから解く、これを説き示すの。
サトミ　欲に疲れて、苦しむものに、説いていくの？
メグミ　色界では、徳が高いほど、他を解いていくよ。
サトミ　じゃ、良くを持って、衆生が苦しんでいる、
　　　　だから、解くを以って、菩薩が救っているの？
メグミ　うん、良くに飽くことが、衆生の命であり、
　　　　続いて、飽くを解くことが、菩薩の命なのよ。
サトミ　表で、楽が苦になるのが、欲界の仕掛であり、
　　　　裏から、苦を空にするのが、色界の仕組かな？
メグミ　うん、仕掛けが解けたね、あなたも裏に回る？
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　欲界　という　色界

サトシ　欲を認める、欲界って、どういうものかな？
アツシ　欲界とは、欲を突き詰め、業を重ねる所だな。
サトシ　思いのまま、業を重ねると、どうなるのかな？
アツシ　右に偏るなら、欲に煽られて、右を望んで、
　　　　左に偏れば、欲に動かされ、左を望むだろう。
サトシ　欲が深いほど、業が重なって、極端になるの？
アツシ　そうだ、元の型から離れて、形が歪んでいく。
サトシ　型を認める、色界って、どういうものかな？
アツシ　色界とは、型を受け容れ、法を重ねる処だな。
サトシ　在りのまま、法を重ねると、どうなるのかな？
アツシ　右に偏るなら、徳に誘われて、左に臨んで、
　　　　左に偏れば、徳に導かれて、右に臨むだろう。
サトシ　徳が高いほど、法が重なって、中庸になるの？
アツシ　そうだ、元の型まで戻って、形が直っていく。
サトシ　色の界は、型の段であり、形を創り出して、
　　　　欲の界とは、業の階であり、形を作り変える？
アツシ　ああ、徳が許せる範囲で、形は変えられる。
サトシ　色界の計画は、欲界の変化を、織り込み済み？
アツシ　いかなる邪魔が入っても、それすら利用する。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　色界なき欲界　と　欲界なき色界

サトミ　欲界と色界、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　衆生が集う、欲界って、どういうものかな？
メグミ　欲界とは、良くに飽いて、輪廻する世界だよ。
サトミ　菩薩が集う、色界って、どういうものかな？
メグミ　色界とは、解くを説いて、済度する世界だよ。
サトミ　欲界を望み、色界に臨まないと、どうなるの？
メグミ　色界なき欲界なんて、唯の苦界に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、衆生が集っても、菩薩が生まれないの？
メグミ　そうよ、解くが無いから、苦しいだけなのよ。
サトミ　色界を望み、欲界に臨まないと、どうなるの？
メグミ　欲界なき色界なんて、只の空界に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、菩薩が集っても、衆生が生まれないの？
メグミ　そうよ、良くが無いから、空しいだけなのよ。
サトミ　欲界だけは、解けないから、飽くばかりで、
　　　　色界ばかりは、飽かないから、空くばかりか。
メグミ　うん、欲界と色界、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、色界を究め、欲界を極めていくの？
メグミ　そうなの、欲界を超え、色界を越えていくの。
サトミ　……………………！！