第三章 第三四話 問答編
マサシ 羅漢(ラカン)とは、どういうものですか?
アキラ 羅漢は、小乗を修め、菩薩に臨むもの。
梵語では、アルハットと、呼ばれるもの。
小乗の道は、独覚乗と声聞乗に分類される。
これらに、菩薩乗を加えて、三乗と呼ばれる。
マサシ 菩薩(ボサツ)とは、どういうものですか?
アキラ 菩薩は、大乗を修め、仏陀を望むもの。
梵語では、ボーディ・サットヴァである。
大乗の道は、智慧と功徳を修める道であり、
衆生を済度し、輪廻に居ながら涅槃に安らぐ。
マサシ 独覚(ドッカク)とは、どういうものですか?
アキラ 独覚は、自灯明により、目覚めるもの。
梵語では、プラティエーガブッダである。
仏陀の教えに拠らず、自力で悟りを開く者。
十二因縁の法を修めて、他と関ろうとしない。
マサシ 声聞(ショウモン)は、どういうものですか?
アキラ 声聞は、法灯明により、目覚めるもの。
梵語では、シュラーヴァカと、呼ぶもの。
仏陀の教えを聞いて、他力で悟りを開く者。
八正道の教えを修めて、他と関ろうとしない。
タンゴ 菩薩になりたいと、思うようになりました。
マコト この神社には、何ら包み隠すことなく、
深淵なる教えが、解き明かされています。
深淵に触れた人は、深層から逃げ出すのか、
真相を受け容れるか、迫られる事になります。
菩薩になりたいと、思い始めたことは、
他でもない、貴方が逃げなかった証です。
妙なる事です、恐れ入る必要はありません。
あなたに、祝福と使命が降りることでしょう。
まともに、宇宙の実相を見てしまえば、
もはや、菩薩としてしか生きられません。
それ以外の生き方は、一切皆苦ですからね。
人々を弥勒の世界、一切皆楽に導いて下さい。
タンゴ 弥勒の世の人々は、どのような人ですか?
マコト 菩薩は、雨にも負けず、風にも負けず、
決して怒らず、いつも静かに笑っていて、
人から、褒められもせず、苦にもされない。
我を介さず、利他に勤めて、総てを解します。
ナトリ どうして、大事な物ほど、後出しなのですか?
マコト 衆生が集う欲界は、全てが後出であり、
菩薩が集まる色界は、総てが前出しです。
つまり、色界は計画書、欲界は実行所です。
曖昧な世界で生きてこそ、知恵が磨かれます。
それゆえ、完全な真理が説かれるのは、
最終の段階であり、欲界の最期の日です。
際どい所ですが、それでも望む者から順に、
真理に出会い、欲界を越える出口を知ります。