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物語編

第三章 第三六話 対話編

CASE 文殊 の裏に 普賢

 

マナミ 妙なる吉祥、文殊って、どういうものなの?
マサシ 文殊とは、明を象徴する、智慧の菩薩なのさ。
マナミ 明が生れると、智が産まれるのは、どうして?
マサシ 思いのまま、世を照らすと、どうなると思う?
マナミ 好きは照らし、嫌いは隠して、選り分けるの。
マサシ そうさ、闇が智を曇らせて、光が智を磨くよ。
    闇を光で、照らし出すと、識別智が培われる。
マナミ 普く賢い者、普賢って、どういうものなの?
マサシ 普賢とは、行を象徴する、功徳の菩薩なのさ。
マナミ 行が生れると、徳が産まれるのは、どうして?
マサシ 在りのまま、世で行じると、どうなると想う?
マナミ 好きなものも、嫌いなものも、積み重ねるの。
マサシ そうさ、行を積み重ねると、器が大きくなる。
    光も闇も、受け容れると、直観智が培われる。
マナミ 欲を使って、明らめるほど、識別智になり、
    徳を遣かって、諦らめるほど、直観智になる?
マサシ そうさ、智と徳を培うため、衆生を済度する。
マナミ 衆生済度は、決して諦めない、欲を抱くのね。
マサシ その欲を、智で解しながら、徳に変えるのさ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 文殊 と 釈迦 と 普賢

 

サトミ どうして、釈迦の左側に、文殊が侍るのかな?
メグミ 左脳は、二元に分ける、識別を司るからなの。
サトミ どうして、文殊は、右手に宝剣を持つのかな?
メグミ 智慧の剣をして、分け難きを別つためなのよ。
サトミ どうして、文殊は、左手に経典を持つのかな?
メグミ 智慧の法をして、解し難きを解すためなのよ。
サトミ どうして、文殊は、獅子に跨っているのかな?
メグミ 識別の智をして、御し難きを御すためなのよ。
サトミ どうして、釈迦の右側に、普賢が侍るのかな?
メグミ 右脳は、一元に合せる、直観を司るからなの。
サトミ どうして、普賢は、両手を合せているのかな?
メグミ 信仰の心をして、合せ難きを合すためなのよ。
サトミ どうして、普賢は、両足を組んでいるのかな?
メグミ 修行の徳をして、組み難きを組むためなのよ。
サトミ どうして、普賢は、白象に乗っているのかな?
メグミ 直観の智をして、度し難きを度すためなのよ。
サトミ そっか、すべてに、意味が溶け込んでいて、
    すべての意味が、見事に解け合っているのね。
メグミ うふっ、そうなの、これこそ、釈迦の智慧よ。
サトミ ……………………!!

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