物語編
第三章 第三八話 問答編
マサシ 無色界(ムシキカイ)は、どんなものですか?
アキラ 無色界とは、欲も色もない世界であり、
梵語では、アルーパ・ローカと呼ばれる。
下は無から上は空まで、様々な段階があり、
欲界と色界を越えている、一元の境地である。
マサシ 無(ム)とは、どういうものですか?
アキラ 無とは、否定を究めた、一元性であり、
梵語では、「アン」とも、呼ばれるもの。
Aも非Aも、その両方とも、否定するとき、
闇が覆う、実感の消えた、無の境地に達する。
マサシ 空(クウ)は、どういうものですか?
アキラ 空とは、肯定を極めた、一元性であり、
梵語では、シューニャと、呼ばれるもの。
Aも非Aも、その両方とも、肯定するとき、
光り輝く、実体の消えた、空の境地に達する。