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物語編

第三章 第四十話 物語編

第三章    相対   と   絶対
第四十話 陰陽が現れる と 陰陽が隠れる

 

第六の天魔は、あくまで、菩薩と言われるか。
魔王が堕ちて逝かないと、天地が裂けて行くのか。
そして、その大役こそ、私に定められた運命なのか。

 

座り込んだまま、頭だけを上げた、彼に語り掛ける。

 

色は、陰と陽の彩りにして、光と闇の移ろい。
この世で、光が強くなると、闇も強くなっている。
全てを光で覆い尽すには、誰かが闇を負う事になる。

 

光ばかりでも、闇ばかりでも、色は現れない。
色が現われないと、型も現われず、形も現れない。
形が無い欲では、何が良くなるのか、良く分らない。

 

即ち、第六天界とは、人の欲を形に変える天。
悪魔の面にて、欲望を適えて、自らは善業を積み、
菩薩の相をして、絶望も敵えて、周りの智慧を磨く。

 

即ち、第六天魔とは、衆生に知恵を授ける蛇。
悪魔の相にて、科学を貸して、地に足を着けさせ、
菩薩の面をして、真理も課して、天に人を近づける。

 

この尊い業を、汝が負わずに、誰が追うのか。
恐れるな、悪魔の指名を受け、菩薩の使命を果せ。
相克に見るものを、相生に観ること、これが仕組だ。

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