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物語編

第三章 第四十話 対話編

CASE 相対 の裏に 絶対

 

マナミ 表裏が有る、相対説って、どういうものなの?
マサシ 相対説は、全ては相対って、説くことなのさ。
マナミ 表裏が無い、絶対説って、どういうものなの?
マサシ 絶対説は、総ては絶対って、説くことなのさ。
マナミ う~ん、相対説と絶対説、どちらが正しいの?
マサシ どちらが、正しいではなく、どちらも正しい。
マナミ じゃあ、相対説が正しいって、どういうこと?
マサシ あらゆる、二元の解し方は、相対であるのさ。
マナミ じゃあ、絶対説が正しいって、どういうこと?
マサシ いかなる、一元の介し方も、絶対であるのさ。
マナミ すると、解するから相対、介するから絶対ね?
マサシ うん、解るは相対でも、悟るは絶対なのさ。
    つまり、相対が解る、という、絶対を悟るさ。
マナミ 相対説は、前半を説いて、真理と解くけど、
    絶対説では、後半を解いて、真理と説くのね。
マサシ そうさ、どちらも、真理を説いているだけさ。
マナミ せっかく、分かりやすく、解いてくれたのに、
    一方に、囚われたから、別けてしまったのね。
マサシ 今回こそ、解かりやすく、説いたつもりだよ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 識 無 辺 処

 

サトシ 上から三番目、識無辺処は、どういうもの?
アツシ 識無辺処は、識に関わる、無色界のことだな。
サトシ 此処って、一元だけど、どんな一元なのかな?
アツシ 認識は、無辺であるって、見ている境地だな。
サトシ 絶対って、認めているなら、完全な一元だね。
アツシ 残念ながら、実際の所は、そうでもないんだ。
サトシ どうして、絶対を認めても、一元じゃないの?
アツシ 実際に、認識が絶対であると、見とめるとき、
    裏で、認識が相対であると、見とめてしまう。
サトシ 確かに、欲も型もない、一元の世界だけど、
    潜在的に、二元に落ちる、可能性が有るわけ?
アツシ ああ、認識が絶対であると、思っていると、
    いずれ、認識が相対であると、想ってしまう。
サトシ それなら、真の一元に入るには、どうするの?
アツシ 識に関して、何であろうと、思い込まない。
    想い込むから、一元が崩れる、因を抱え込む。
サトシ そっか、思い込むから、二元が埋まれるのか。
    じゃ、一元に居たいなら、想い込まない事か。
アツシ そうだが、そうだと、もう、思い込んでいる。
サトシ ……………………

 


 

CASE 絶対なき相対 と 相対なき絶対

 

サトミ 相対と絶対、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 相対を説く、相対説は、どういうものかな?
メグミ 相対説は、表裏が有ると、そう説くことだよ。
サトミ 絶対を説く、絶対説は、どういうものかな?
メグミ 絶対説は、表裏が無いと、そう説くことだよ。
サトミ 相対を望み、絶対に臨まないと、どうなるの?
メグミ 絶対なき相対なんて、唯の絶対に過ぎないよ。
サトミ じゃ、表裏が有るって、肯定に徹しているの?
メグミ そうよ、肯定が過ぎると、否定に転じるのよ。
サトミ 絶対を望み、相対に臨まないと、どうなるの?
メグミ 相対なき絶対なんて、只の相対に過ぎないよ。
サトミ じゃ、表裏が無いって、否定に徹しているの?
メグミ そうよ、否定が過ぎると、肯定に転じるのよ。
サトミ 相対だけでは、識に徹して、識を撤するし、
    絶対ばかりでは、識を撤して、識に徹するの?
メグミ うん、相対と絶対、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、絶対を究め、相対を極めていくの?
メグミ そうなの、相対を超え、絶対を越えていくの。
サトミ ……………………!!

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