物語編
第三章 第四七話 物語編
第三章 残念 と 無念
第四七話 念が消えない と 念が残らない
「それ故、欲を覚え始めた、無垢な天の神々は、
今こそ、人界に生まれた、意味を知るべきである。
私は、天の生まれだと、臆面もなく言うべきでない。」
「楽だけ味わいたければ、天に居れば良かった。
人として生まれたのは、自らが望んだからである。
苦も楽も受け容れて、知恵を磨くためでなかったか。」
「それ故、欲を究めている、善良な天の神々は、
今こそ、人界が生まれた、神意を悟るべきである。
遂に、地が天に変ると、能天気に燥ぐべきではない。」
「人を悟らせることなく、天に還したとしても、
人界が創造される前に、戻るだけと気づかないか。
君らの善意は疑わないが、別の地が創られるだけだ。」
「それ故、欲を窮めている、邪悪な天の神々は、
今こそ、魔界が生まれた、真意を解すべきである。
我は、神の代理人だと、無邪気に驕るべきではない。」
「誰か魔を務めないと、欲界は成り立たないが、
犯した罪は必ず償わせる、特別に赦したりしない。
神の為に冒さず、我が為に犯せば、神に泣き縋るぞ。」