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物語編

第三章 第五十話 概念編

第三章    只管打座
第五十回 坐禅 の裏に 動禅

 

坐禅は、静を持って、念を広げていくこと
動禅とは、動を以って、念を拡げていくこと
坐禅は、独り坐わり、我が内を静かに見つめて
動禅では、他と交わり、我が外を動いて見とめる

 

坐禅は、外を介さず、内を解する禅であり
自分まで、条件を狭め、内なる因に臨むこと
昔の思いが、今に移って、心に浮び上がるため
等しい条件で、自身を見つめ、過去を超えられる

 

動禅は、外を介して、内を解する禅であり
他人まで、条件を広げ、外なる縁に臨むこと
我が想いが、他に映って、心に湧き上がるため
異なる条件で、自身を見つめ、未来を越えられる

 

只管打座とは、ひたすら、心を据えること
動禅なき坐禅は、身が動かず、心が働かない
坐禅なき動禅では、心が動じて、身が働かない
身が坐ろうとも、心が据わらないと、意味がない

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