ＣＡＳＥ　坐禅　の裏に　動禅

マナミ　坐る禅のこと、坐禅って、どういうものなの？
マサシ　坐禅とは、外を介さず、内を解する瞑想だよ。
マナミ　外に臨まず、内を覗くと、どうなるのかな？
マサシ　条件を、自分に定めて、因果を遡っていくよ。
マナミ　自ずから、過去の記憶が、内界に表われるの？
マサシ　そうさ、過去の経験を、同じ条件で見るのさ。
マナミ　動く禅のこと、動禅って、どういうものなの？
マサシ　動禅とは、外を介して、内を解する瞑想だよ。
マナミ　内に臨まず、外を覗くと、どうなるのかな？
マサシ　条件を、他人に広げて、因果を辿っていくよ。
マナミ　自ずから、他者の体験が、外界に現われるの？
マサシ　そうさ、自分の経験を、違う条件で見るのさ。
マナミ　外の世界は、内の世界を、写したものなの？
マサシ　そうさ、外を解することで、内を解せるのさ。
マナミ　未来の形は、過去の型を、移したものなの？
マサシ　うん、未来に臨んでも、過去に臨めるんだよ。
マナミ　じゃあ、動禅だけすれば、十分だったのかな？
マサシ　いや、条件が変わると、原因が見つけ難いよ。
　　　　人に聞いても、自ら考えないと、分からない。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　坐禅　の先に　動禅

サトミ　坐する思い、坐禅って、どういうものかな？
メグミ　坐禅とは、条件を変えず、原因を探るものよ。
サトミ　動ずる想い、動禅って、どういうものかな？
メグミ　動禅とは、条件を変えて、原因を探るものよ。
サトミ　う～ん、良く解らない、どういうことなの？
メグミ　それなら、あなたは、嫌いな人が居るかな？
サトミ　Ａのことが、あたしは、何となく嫌いなのよ。
メグミ　目を閉じ、独り座ったら、どうなると思う？
サトミ　過去が、湧き上がって、嫌いな原因が見える。
メグミ　目を開き、辺りを見たら、どうなると思う？
サトミ　条件が違う、他者の存在が、見えると想うよ。
メグミ　Ａを嫌う、人と出会うと、どうなると思う？
サトミ　条件が、等しいからね、当然に感じると想う。
メグミ　Ａを好む、人と出会うと、どうなると思う？
サトミ　条件が、異なるからね、意外に感じると想う。
メグミ　うん、条件が異なるほど、原因が見えやすい。
サトミ　じゃあ、同じ条件ほど、原因が解り難くて、
　　　　その逆に、違う条件ほど、原因が解り易いの？
メグミ　うふっ、誰かと話した方が、解り易いでしょ。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　坐禅　という　動禅

サトシ　坐って臨む、坐禅って、どういうものかな？
アツシ　坐禅とは、内に隠される、因を探るものだな。
サトシ　独り座って、内面に臨むと、どうなるのかな？
アツシ　内なる世界に、内なる蓄積が、映って見える。
サトシ　動いて臨む、動禅って、どういうものかな？
アツシ　動禅とは、外に現われる、縁を探るものだな。
サトシ　動き回って、外界に臨むと、どうなるのかな？
アツシ　外なる世界に、内なる蓄積が、写って見える。
　　　　Ａが好きな君が、目を閉じると、どうなる？
サトシ　Ａに関わった、過去の記憶が、映し出される。
　　　　でも、囚われないと、それが崩れ去っていく。
アツシ　Ａが好きな人と、君が出会うと、どうなる？
サトシ　Ａに関わった、過去の記憶が、写し出される。
アツシ　Ａが嫌いな人と、君が出遭うと、どうなる？
サトシ　Ａに関わった、過去の記憶が、刻し出される。
アツシ　そうだ、違う条件に逢うと、崩れ去っていく。
サトシ　囚われない時と、同じ効果が、有るわけだ。
　　　　そっか、こんな考え、僕はしたこと無かった。
アツシ　そうだな、人に会うと、観念が崩れやすいな。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　動禅なき坐禅　と　坐禅なき動禅

サトミ　坐禅と動禅、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　止っている、坐禅って、どういうものかな？
メグミ　坐禅とは、自分の内側に、原因を探すものよ。
サトミ　動いている、動禅って、どういうものかな？
メグミ　動禅とは、自分の外側に、条件を探すものよ。
サトミ　坐禅を望み、動禅に臨まないと、どうなるの？
メグミ　動禅なき坐禅なんて、引き篭っているだけよ。
サトミ　じゃ、他に関らないと、縁が変わらないの？
メグミ　そうよ、縁が換らないと、因が分からないよ。
サトミ　動禅を望み、坐禅に臨まないと、どうなるの？
メグミ　坐禅なき動禅なんて、動き回っているだけよ。
サトミ　じゃ、落ち着かないと、因を見とめないの？
メグミ　そうよ、因を認めないと、縁が解からないよ。
サトミ　坐禅だけは、縁を見ないで、因が分らない。
　　　　動禅ばかりは、因を見ないで、縁が解らない。
メグミ　うん、坐禅と動禅、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、動禅を究め、坐禅を極めていくの？
メグミ　そうなの、坐禅を超え、動禅を越えていくの。
サトミ　……………………！！