物語編
第三章 第五三話 概念編
第三章 如来蔵
第五三回 有垢 の裏に 無垢
有垢は、業に塗れて、幻想に覆われること
無垢とは、業を越えて、幻想が払われること
有垢は、不等に見とめて、真実が隠されていき
無垢では、平等に見とめて、真実が現われてくる
たとえば、我は善であり、彼は悪であると
このように、不等に見ると、幻想に覆われる
幻想とは、思いのままに、世界が汚されること
業を重ねて、世を切り分け、界を埋め隠していく
たとえば、我も空であり、彼も空であると
このように、平等に見ると、真実が現われる
真実とは、在りのままに、世界が洗われること
業を越えて、世を貼り合せ、界を掘り起していく
如来蔵とは、衆生が持つ、仏の本性のこと
すべての現実は、その内に真実が隠れている
現実を不等に見ると、幻想の世界に変っていき
現実を平等に見るほど、真実の世界に換っていく