物語編
第三章 第五八話 物語編
第三章 禅定 と 智慧
第五八話 因縁を介する と 因縁を解する
「親の務めが大事なら、子の努めも大事である。
誰もが、汝が務める、親の役を与かる訳ではない。
それゆえ、この出口に気づく者は、真に稀有である。」
「そこで、汝は、子でも、親を味わえるように、
文明を興し、科学を解いて、欲望を適えるだろう。
時が進むほど、世の人は、多様な立場を経験し得る。」
「恰も、弱者を苛めると、強者を憎んでいても、
自からが、強者に変わると、弱者を苛めるが如く、
人々は、自らに牙が生えると、自ずから刃を向ける。」
「宛ら、平民である限り、強気に言えていても、
自からが、権力を具えると、無難に退けるが如く、
人々は、自らに刃が向かうと、自ずと牙が抜かれる。」
「汝は、欲天界の教えを、人界に下ろしながら、
この地を、科学の力を使い、天界に変えるだろう。
そして、歴史が進むほど、立場が入れ替り易くなる。」
「人々は、科学の恩恵だけ、与かろうとするが、
汝が施した、自業自得を悟る、仕掛とは知らない。
その罠に、多くの者が嵌り、真理を思い知るだろう。」