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物語編

第三章 第五九話 物語編

第三章    理証   と   現証
第五九話 言に依り証す と 現に拠り証す

 

大いなる善でもあれば、大いなる悪でもある、
汝の所業を、形だけ真似る、輩が汝を奉るだろう。
悪の限りを尽す、汝の使命が、魅力的に映るからだ。

 

悪の頭領として、可能な限り、悪を魅了せよ。
悪人が、我がために、悪を犯せば、罪は重くなり、
逆に、汝のために、悪を侵せば、その罪は軽くなる。

 

善人は、神の為に、善を積めば、徳に変わり、
悪しき者は、汝の為に、悪を積めば、徳に換わる。
善の中で、神が司る役を、悪魔の中で、汝は演じよ。

 

悪しき者に、神を説こうとも、聞く事は無い。
梵天に比肩する、魔を解いてこそ、聴く耳を持つ。
煩悩即菩提を司る、愛染明王として、欲を昇華せよ。

 

善なる者に、悪を魅せようと、愛す事は無い。
善悪が交代する、魔を見せてこそ、我が善を疑う。
輪廻即涅槃を司る、不動明王として、徳を体現せよ。

 

彼らは、汝が、神の代理人であると知らない。
骨の髄から、汝が、神の分霊であるとは知らない。
汝の正体を知ったら、泣き喚いて歯軋りするだろう。

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