第四章 第四話 対話編
CASE 入口 の裏に 出口
マナミ 良くを説く、入口って、どういうものなの?
マサシ 入口とは、良くに憑かれ、飽くに誘うものさ。
マナミ 飽くを解く、出口って、どういうものなの?
マサシ 出口とは、良くに疲かれ、解くに導くものさ。
マナミ 世の人々を、入口に誘うには、どうするの?
マサシ 多様な入口を、取り揃えて、良い面を説くよ。
マナミ Aを望む人々は、Aの入口に、入って行くの?
マサシ 良くなる事を、望みながら、Aに入るのさ。
マナミ Aから入る人は、どのような、出口に出るの?
マサシ 良くは飽くからね、非Aという、出口に出る。
マナミ じゃ、Bに入れば非B、Cに入れば非Cに、
どんな、入口に入っても、逆の出口に出るの?
マサシ そうだよ、〇〇を望んだら、××に臨むのさ。
マナミ 世の人々を、出口に導くには、どうするの?
マサシ 唯一の出口を、解き明かし、悪い面を解くよ。
マナミ どんな入口でも、逆に為ると、言い切れるの?
マサシ 良くは飽くからね、此の教えに、穴は無いよ。
マナミ 飽かない出口が、現れるまで、繰り返したい。
マサシ 開かない出口では、もはや、行き止まりだよ。
マナミ ……………………
CASE 入口 の先に 出口
サトミ 現代は、様々な価値観が、説かれているよね。
Aを説く、その隣りで、非Aが解かれている。
メグミ 確かに、矛盾する教えも、説かれているよね。
サトミ どうして、矛盾する状態が、許されているの?
Aと非Aは、どっちかが、誤まりなんでしょ。
メグミ Aでも良いし、非Aでも良いが、真理なのよ。
Aか非Aか、どちらかしかダメが、誤りなの。
サトミ じゃあ、Aでも良いし、非Aでも良いんだ。
それなら、どの入口から、入っても良いのね?
メグミ そうよ、様々な価値が、説かれているのは、
この世の、一人も残さず、真理に導くためよ。
サトミ みんな、自分が好きな、入口を選ぶだけよ。
どうして、そんなことで、真理に導かれるの?
メグミ いずれ、Aを認めると、非Aも認めてしまう。
どこから、入ろうと、反対に出るからなのよ。
サトミ う~ん、覆るなら、何を選んでも悪いよね。
メグミ 逆よ、悟れるのなら、何を択んでも良いのよ。
サトミ う~ん、あたしは、そんな価値観は認めない。
メグミ うん、その入口から、入って行けば良いだけ。
サトミ ……………………
CASE 出口 の先に 入口
サトミ 現代に、あらゆる入口を、用意しているのは、
なるべく、あらゆる人類を、真理に導くため?
メグミ そうよ、Aでも良い、非Aでも良いという、
出口まで、導くために、様々な入口を作るの。
サトミ もし、Aという入口から、入って行くなら、
いずれ、非Aという出口に、出て来るのかな?
メグミ うん、Aが究められると、非Aに極められる。
これを、目の当たりにして、出口に出るのよ。
サトミ 恋愛は最高だな、という、入口から入ると、
恋愛は最低だった、という、出口から出るの?
メグミ 〇〇は最高だな、という、入口から入ると、
〇〇は最低だった、という、出口から出るよ。
サトミ これが、真理なんて、最低ね、認めたくない。
メグミ こんな真理に、すべての人類を、導くために、
この時代に、あらゆる入口が、用意されたの。
サトミ こんな真理が、真実ならば、最低な真理ね。
何をしても、裏切られるから、楽しくないわ。
メグミ 真理は最低だな、という、入口から入るの?
真理は最高だった、という、出口から出るよ。
サトミ ……………………
CASE 入口 という 出口
サトシ 人を酔わす、入口って、どういうものかな?
アツシ 入口とは、Aだけ良いと、説く係のことだな。
サトシ 人を覚ます、出口って、どういうものかな?
アツシ 出口とは、非Aも良いと、解く係のことだな。
サトシ じゃあ、僕は、Aの扉から、入ることにする。
アツシ Aは良いが、非Aは悪い、そう思い込んで、
Aに入っても、非Aも良い、そう想い始める。
サトシ 騙された、次は、Bの扉から、入ろうかな。
アツシ Bは良いが、非Bは悪い、そう思い込んで、
Bに入っても、非Bも良い、そう想い始める。
サトシ 騙された、次は、Cの扉から、入ろうかな。
アツシ だめだ、そろそろ、悟るべきだ、諦めてくれ。
どこから、入ろうと、逆の出口に、辿り着く。
サトシ 少し位、夢を見たって、別に良いじゃないか。
君は、人を冷ますばかり、興が醒めちゃうよ。
アツシ そうだ、俺は夢から覚ます、出口の役だから。
サトシ 僕は、好きな道を進んで、夢を見たいんだ。
もうっ、僕に関わらないで、好きにさせてよ。
アツシ おや、まだ、その段階なのか、済まなかった。
サトシ ……………………
CASE 出口 という 入口
サトシ 夢を魅せる、入口って、どういうものかな?
アツシ 入口とは、善い夢を見せ、人を集める処だな。
サトシ 入口の係は、幻想を説いて、人々を集めるの?
アツシ そうだな、人が集るほど、真実に見えてくる。
サトシ いかに、人を集めても、幻想に過ぎないの?
アツシ ああ、遅かれ早かれ、すべての人が魘される。
サトシ 夢を覚ます、出口って、どういうものかな?
アツシ 出口とは、悪い夢を見る、人が集まる所だな。
サトシ 出口の係は、真理を解いて、人々を覚ますの?
アツシ そうだな、目を覚ますと、真実が見えてくる。
サトシ たとえ、人が寡くても、真実に違いないの?
アツシ ああ、早かれ遅かれ、すべての人が導かれる。
サトシ 出口は、どうして、人を集めようとしないの?
宣伝して、どんどん、広めるべきじゃないの?
アツシ 無理に、楽しい夢から、覚ましたら駄目だ。
悪い夢に、魘されてから、醒ますべきなんだ。
サトシ う~ん、真理の場合だって、大勢が集まり、
みんなで、楽しく修めた方が、良いと思うよ。
アツシ それは、出口という入口だ、真理とは程遠い。
サトシ ……………………
CASE 出口なき入口 と 入口なき出口
サトミ 入口と出口、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 良くを説く、入口って、どういうものかな?
メグミ 入口とは、何かが良いと、人に勧める係だよ。
サトミ 良くを解く、出口って、どういうものかな?
メグミ 出口とは、何でも良いと、人に教える係だよ。
サトミ 入口を望み、出口に臨まないと、どうなるの?
メグミ 出口なき入口なんて、唯の閉口に過ぎないよ。
サトミ じゃ、良くを説いても、良くを解かないの?
メグミ そうよ、飽くに極まって、黙り込むだけだよ。
サトミ 出口を望み、入口に臨まないと、どうなるの?
メグミ 入口なき出口なんて、只の無口に過ぎないよ。
サトミ じゃ、良くを解いても、良くを説かないの?
メグミ そうよ、良く見えないし、誰も入らないのよ。
サトミ 入口だけは、悪く為るから、口を閉すだけ。
出口ばかりは、何も無いから、口が開くだけ。
メグミ うん、入口と出口、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、出口を追い、入口を負っていくの?
メグミ そうなの、入口を透し、出口に徹していくの。
サトミ ……………………!!