第四章　　　　三悪趣
第五回　貪欲　の裏に　瞋恚

貪欲は、善く捉える、肯定を司る心のこと
瞋恚とは、悪く捕える、否定を司る心のこと
愚痴は、善と悪を固める、固定を司る心のこと
三悪趣は、三つの毒を司り、煩悩に囚われている

餓鬼は、貪欲を司り、貪に苦しむ道のこと
餓鬼道は、貪りに囚われ、煩悩の味著を貪り
飢えに苦しみながら、飽くまで満たそうとする
集めたい、囚われたい、食べたい、与えたくない

畜生は、愚痴を司り、痴に苦しむ道のこと
畜生道は、迷いに囚われ、煩悩の出離に迷い
恐れに苦しみながら、飽くまで溺れようとする
甘えたい、愉しみたい、忘れたい、知りたくない

地獄は、瞋恚を司り、瞋に苦しむ道のこと
地獄道は、怒りに囚われ、煩悩の過患に怒り
痛みに苦しみながら、飽くまで傷めようとする
憎みたい、滅ぼしたい、恨みたい、許したくない