第四章 第五話 対話編
CASE 人間 の裏に 餓鬼
マナミ マヌシャ、人間界って、どういうものなの?
マサシ 人間は、貪欲の味著を司る、貪りの世界だよ。
マナミ プレータ、餓鬼界って、どういうものなの?
マサシ 餓鬼は、貪欲の過患を司る、貪りの世界だよ。
マナミ 貪り、楽しんでいる、世界が生まれるから、
貪りで、苦しんでいる、世界が産れてくるの?
マサシ うん、貪りを楽しむから、貪りで苦しむのさ。
マナミ う~ん、良く解らない、どういうことなの?
マサシ じゃ、誰か財を得るなら、誰か財が失われる。
ここで、多く集め過ぎると、どうなると思う?
マナミ 財が偏り、行き渡らないから、財が使えない。
マサシ じゃ、今に食べていると、後で食べられない。
ここで、多く食べ過ぎると、どうなると想う?
マナミ 体が病み、食べたくても、食べられなくなる。
マサシ そうさ、足るを巡らせれば、満ち足りるのに、
足るしか、望まないから、奪い合いを続ける。
マナミ たとえ、良くなる間は、満足を楽しめても、
飢えまで、臨まない限り、不満に苦しむのね。
マサシ 人間と餓鬼、貪りの廻りが、飽くまで続くよ。
マナミ ……………………!!
CASE 人間 の先に 餓鬼
サトミ あたしも、大食いタレントに、為りたいな。
食べるほど、食べていけるのよ、素敵でしょ。
メグミ 止めなよ、食べ物を弄ぶのは、良くないから。
サトミ どうしてよ、食べるだけで、人気が出るのよ。
メグミ 食べ物で、楽していると、食べ物で苦しむの。
食を弄ぶと、食に玩ばれる、道を進まされる。
サトミ そんなの、貧しい時代の、考え方じゃない。
豊かな時は、食で遊んでも、構わないでしょ。
メグミ 食べて、楽しんでいる、人間が生まれるから、
喰われて、苦しんでいる、餓鬼が埋まれるの。
サトミ 食を弄んで、笑ったり、愉しんだりするから、
食に玩ばれて、泣いたり、悲しんだりするの?
メグミ たとえ、現在の自分が、苦しんでいなくても、
現在の他者や、未来の自分が、裏で苦しむの。
サトミ もうっ、詰まらないことを、言っていないで、
あたしと、大食い世界で、人気者に成ろうよ。
メグミ わたし、食を頂く道を、進んで生きたいの。
サトミ あたしは、持て余す道を、勧めて行きたいの。
メグミ そのさきは、飽きたくても、厭きられないよ。
サトミ ……………………
CASE 人間 という 餓鬼
サトシ 貪り楽しむ、人間って、どういうものかな?
アツシ 人間とは、貪りを楽しみ、業を重ねるものだ。
サトシ 貪り苦しむ、餓鬼って、どういうものかな?
アツシ 餓鬼とは、貪りに苦しみ、業を落とすものだ。
サトシ つまり、貪りを楽しむ、人間が存在するから、
その裏に、貪りで苦しむ、餓鬼が存在するの?
アツシ そうだ、人間が生まれると、餓鬼が埋まれる。
人間が積み、餓鬼に摘ませる、業の仕掛だな。
サトシ それなら、情愛に耽ったり、蓄財に励んだり、
人間に生まれ、貪りを喜ぶと、どうなるかな?
アツシ 悦ぶほど、愛情に飢えたり、搾取に遭ったり、
餓鬼に産まれ、貪りに悲しむ、ことになるな。
サトシ それなら、博愛を培ったり、喜捨に努めたり、
人間に生まれ、貪りを慎むと、どうなるかな?
アツシ 謹むほど、愛情に満たされ、財産に恵まれて、
人間を活きて、貪りを越える、ことになるな。
サトシ 確かに、人間の時には、貪りを楽しめるけど、
その間に、貪りに苦しみ、超えた方が良いね。
アツシ 人間で摘み、餓鬼を越させる、法の仕組だな。
サトシ ……………………!!
CASE 餓鬼なき人間 と 人間なき餓鬼
サトミ 人間と餓鬼、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 貪を楽しむ、人間って、どういうものかな?
メグミ 人間とは、貪りを楽しみ、業を積むものだよ。
サトミ 貪に苦しむ、餓鬼って、どういうものかな?
メグミ 餓鬼とは、貪りに苦しみ、業を摘むものだよ。
サトミ 人間を望み、餓鬼に臨まないと、どうなるの?
メグミ 餓鬼なき人間では、貪りを諦らめられないよ。
サトミ じゃ、貪で苦しまず、貪が止まらなくなるの?
メグミ そうよ、器に入らない、苦を抱えてしまうの。
サトミ 餓鬼を望み、人間に臨まないと、どうなるの?
メグミ 人間なき餓鬼では、貪りを明らめられないよ。
サトミ じゃ、貪で楽しめず、貪が燻っていくのかな?
メグミ そうよ、未だ知らない、楽を探してしまうの。
サトミ 人間だけでは、楽が過ぎて、貪に捕われて、
餓鬼ばかりでは、苦が過ぎて、貪に囚われる?
メグミ うん、人間と餓鬼、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、餓鬼を救い、人間を済っていくの?
メグミ そうなの、人間を超え、餓鬼を越えていくの。
サトミ ……………………!!
CASE 地獄 と 畜生 と 餓鬼
サトシ あのね、三悪趣って、どういう世界なのかな?
マサシ 三悪趣は、地獄、畜生、餓鬼のことなのさ。
サトシ 貪欲を司る、餓鬼の世界は、どんな世界なの?
マサシ 餓鬼界は、煩悩の快楽を、貪り続ける世界さ。
サトシ 瞋恚を司る、地獄の世界は、どんな世界なの?
マサシ 地獄界は、煩悩の苦痛に、怒り続ける世界さ。
サトシ 愚痴を司る、畜生の世界は、どんな世界なの?
マサシ 畜生界は、煩悩の出離に、迷い続ける世界さ。
サトシ 一度、嵌まると、なかなか、抜け出せないの?
マサシ そうさ、三つが絡み合い、抜け出せないのさ。
サトシ どうして、嵌まり込んだら、抜け出せないの?
マサシ 快楽が好きになると、苦痛が嫌いになるんだ。
これが分からないから、抜け出せなくなるよ。
サトシ 楽しむから、苦しむって、解からないわけ?
マサシ そうさ、苦しみから逃げて、楽しみを求めて、
ますます、苦しくなって、出口が見えないよ。
サトシ そんな世界、絶対に、生まれ変わりたくない。
大嫌いだから、僕には、近づかないで欲しい。
マサシ いま、自分から、近づいたよ、気づいたかい?
サトシ ……………………