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物語編

第四章 第七話 問答編

マサシ 善趣(ゼンシュ)は、どういうものですか?

 

アキラ 善趣は、味著を司る、善い世界のこと。
    梵語では、スヴァルガ・ガティ、である。
    欲界の上位から、天人、修羅、人間であり、
    善業が多い魂が赴く、楽しみ多き世界である。

 

マサシ 悪趣(アクシュ)は、どういうものですか?

 

アキラ 悪趣は、過患を司る、悪い世界のこと。
    梵語では、ドゥル・ガティと、呼ばれる。
    欲界の下位から、地獄、畜生、餓鬼であり、
    悪業が多い魂が赴く、苦しみ多き世界である。

 


 

ハクバ 真理とは、生きるヒントなどではなく、
    生そのものであると、解かって来ました。
    日常生活に活かす、そんなレベルではなく、
    出会えた以上は、真剣に学ぶべきものですね。

 

マコト 自我のために使うなら、魔に誘われて、
    真我のために仕えるなら、神に導かれる。
    それこそ、真理であり、生の本質そのもの。
    真理を、金儲けに使えば、悪魔に遣われます。

 

ハクバ 真理に巡り合えるのは、貴重なのですか?

 

マコト 天界にも幽界にも、真理は有りません。
    真理が説かれるのは、人界に限られます。
    加えて、この人間界は、欲界の縮図であり、
    九分九厘、天人と幽霊に、惑わされています。

 

ハクバ この時代に、巡り合えたのは、貴重ですか?

 

マコト これ迄も、歴史の節目は有りましたが、
    今回は、三千世界を立て直す、大峠です。
    全て引っ繰り返し、欲界を打ち壊す覚悟で、
    深遠なる真理が、今こうして解かれています。

 

    この真理を読めるのは、人だけであり、
    幽霊は、人に嘘を吐かせ、読もうとせず、
    天人らは、人の背に憑いて、読むしかない。
    欲界を救う、菩提心を持って、読んで下さい。

 

ハクバ 天人が読めないのは、どうしてですか?

 

マコト 上から見て、下を引き上げる、掬い方。
    下まで降りて、上に押し上げる、救い方。
    優位を捨て、前者から後者に、悔い改める。
    これこそ、天人に課された、最後の仕組です。

 

    最後の仕組を解いて、楽しい天界から、
    苦しい人間界まで、生まれ落ちた天人は、
    その果報として、真理を読む機会を得ます。
    そして、ようやく、欲界を解脱できるのです。

 

ハクバ 天人向けの教え、でもあるわけですか?

 

マコト あなたが、真理を修めて、成長すると、
    それに応じ、守護者が、代っていきます。
    あなたが、欲界を超えて、天人を越えると、
    それを見て、縁ある天人が、悔いて改めます。

 

    そういう事から、幽霊は言うに及ばず、
    真理を修める者は、天人には頼れません。
    幽霊や宇宙人は、彼方を掬う存在ではなく、
    真理を修めた、貴方が救うべき存在ですから。

 


 

キホク 弥勒の世に入っても、苦労が続くのですか?

 

マコト 苦労が足りず、安楽しかない、欲天で、
    無智に覆われた、天人が戯れているから、
    苦悩しかない世界、地獄が埋れてきました。
    この偏りを均すため、創られたのが人界です。

 

    もし、この人の世界が、安楽しかない、
    欲天の一つに為り下れば、本末転倒です。
    この欲界は、器に余る、苦楽を行き来する、
    極楽と獄苦の、拷問の世界に、為り果てます。

 

    逆に、この人の世界が、苦労を楽しむ、
    弥勒の世に成り上がれば、悲願成就です。
    この欲界は、器に入る、苦楽を行き来する、
    苦労と成果の、進化の世界に、成り続けます。

 

    つまり、弥勒の世とは、苦労を楽しむ、
    弥勒の菩薩が集まる、世の中のことです。
    苦難が有れば、分け合い、受け容れるため、
    器に入るほどの、楽しい苦労を重ねています。

 

キホク 弥勒の世に、早く入るほど、労が多いですか?

 

マコト 分け合う人が寡いと、苦労は大きいし、
    分け合う人が増えると、苦労は減ります。
    弥勒の世に、先に入って、手本を示す型は、
    苦労が大きい分だけ、功徳も大きくなります。

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