ＣＡＳＥ　受苦　の裏に　離苦

マナミ　苦を受ける、受苦って、どういうものなの？
マサシ　受苦とは、悪業を積んで、苦を受けることさ。
マナミ　じゃあ、悪業を重ねるには、どうするのかな？
マサシ　苦しみを、他に押し付け、我に留めないのさ。
マナミ　自らの苦を、他に巡らすと、悪業を積むの？
マサシ　そうだよ、苦を介すから、他に捕らわれるよ。
マナミ　苦を離れる、離苦って、どういうものなの？
マサシ　離苦とは、悪業を摘んで、苦を離れることさ。
マナミ　じゃあ、悪業を落とすには、どうするのかな？
マサシ　苦しみを、我に受け止め、他に回さないのさ。
マナミ　自らの苦を、我に容れると、悪業を摘むの？
マサシ　そうだよ、苦を解すから、他に囚われないよ。
マナミ　悪業を積むと、苦が増えて、捕らわれるし、
　　　　悪業を摘むなら、苦が減って、囚われないの？
マサシ　苦を望むなら、悪い業を積めば、良いだけ。
　　　　苦を越えるなら、悪い業を摘めば、良いのさ。
マナミ　苦しみは、望みもしない、捕われたくもない。
　　　　その向きが、一致するから、抜け出し易いの？
マサシ　その通り、悪業を越える方が、割りと優しい。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　受苦　の先に　離苦

サトミ　苦が生じる、受苦って、どういうものかな？
メグミ　受苦とは、悪に捕われて、悪を重ねることよ。
サトミ　我に縛られ、悪を積むって、どういうこと？
メグミ　苦に囚われて、苦を増やして、伝えることよ。
サトミ　苦を感じて、嫌だと思って、伝えることなの？
メグミ　念が和すから、苦しい想いが、大きくなるよ。
サトミ　苦が消える、離苦って、どういうものかな？
メグミ　離苦とは、悪に捕われず、悪を越えることよ。
サトミ　我に塗れず、悪を摘むって、どういうこと？
メグミ　苦に囚われず、苦を減らして、伝えることよ。
サトミ　苦を感じて、嫌だと思わず、伝えることなの？
メグミ　念が刻すから、苦しい想いが、小さくなるよ。
サトミ　そうすると、未来へにせよ、他者へにせよ、
　　　　我が元に、巡ったものを、どう伝えるかなの？
メグミ　そうよ、苦しいと傳えれば、悪業を積んで、
　　　　逆に、苦しくないと伝えれば、悪業を摘むよ。
サトミ　じゃあ、自分の所に、苦しみが巡って来たら、
　　　　どんどん、苦を減らし、廻らせれば良いよね？
メグミ　うふっ、そこは、私とも、念が和する処だね。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　悪　趣　の　済　度

サトシ　どのように、悪趣の衆生は、救われるのかな？
マサシ　苦しいと、善業を積むことが、極端に難しい。
　　　　だから、悪業を摘むことが、救済に為るのさ。
サトシ　それなら、どうするとき、悪業を積むのかな？
マサシ　他から、苦を受けたら、他に苦を与えるのさ。
サトシ　苦しみが、自と他の間に、巡るようになるの？
マサシ　そうさ、苦を与え合い、苦に縛り付けられる。
サトシ　それなら、どうするとき、悪業を摘むのかな？
マサシ　他から、苦を受けたら、自ら苦を止めるのさ。
サトシ　苦しみが、自と他の間に、廻らなくなるの？
マサシ　そうさ、苦を受け容れ、苦を乗り越えられる。
サトシ　じゃ、思い通りに為らず、苦しいときほど、
　　　　それを、他と分かち合わず、耐えればいいの？
マサシ　うん、苦を受け容れれば、苦の因が減るし、
　　　　さらに、苦を閉じ込めれば、苦の縁が減るよ。
サトシ　なるほど、苦が減るほど、救済になるんだね。
マサシ　悪い世界と、縁を切るほど、済度になるのさ。
サトシ　悪趣では、出離と済度が、同じ向きなんだね。
マサシ　そうさ、それに気づいたら、善趣に向かうよ。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　離苦なき受苦　と　受苦なき離苦

サトミ　受苦と離苦、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　悪を受ける、受苦って、どういうものかな？
メグミ　受苦とは、悪果を受けて、悪業を積むことよ。
サトミ　悪を離れる、離苦って、どういうものかな？
メグミ　離苦とは、悪果を受けて、悪業を摘むことよ。
サトミ　受苦を望み、離苦に臨まないと、どうなるの？
メグミ　離苦なき受苦なんて、苦に感けているだけよ。
サトミ　じゃ、苦しい苦しいと、苦に捕われているの？
メグミ　そうよ、苦が大きくなり、器を溢れ出すのよ。
サトミ　離苦を望み、受苦に臨まないと、どうなるの？
メグミ　受苦なき離苦なんて、苦を避けているだけよ。
サトミ　じゃ、苦は要らないと、苦に囚われているの？
メグミ　そうよ、器が小さくなり、苦が溢れ返るのよ。
サトミ　受苦だけでは、苦が勝って、負い切れない。
　　　　離苦ばかりでは、器が負けて、追い切れない。
メグミ　うん、受苦と離苦、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、離苦に依り、受苦に拠っていくの？
メグミ　そうなの、受苦を究め、離苦を極めていくの。
サトミ　……………………！！