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物語編

第四章 第十一話 問答編

マサシ 有漏(ウロ)とは、どういうものですか?

 

アキラ 有漏は、漏れが有る、煩悩が有ること。
    梵語では、サースラバと、呼ばれるもの。
    自他を差別して、自分を特別にするならば、
    例外が生れるため、実感が漏れることになる。

 

マサシ 無漏(ムロ)とは、どういうものですか?

 

アキラ 無漏は、漏れが無い、煩悩が無いこと。
    梵語では、アナースラバと、呼んでいる。
    自他を差別せず、自分を特別にしないなら、
    例外が埋れるため、実感が溜まることになる。

 


 

オシノ 現在、様々な教えが、説かれていますが、
    その背景の存在の、見抜き方は有りますか?

 

マコト Aも見とめるし、非Aも見とめている、
    真理を修めるほど、漏尽通が生じるため、
    Aは見とめられても、非Aは認められない、
    世界観に隠されている、前提が見えてきます。

 

    例えば、楽は認めても、苦を認めない、
    そのような世界観は、天人の魅せ方です。
    即ち、天人が観せれば、天国に導きますが、
    いずれ、裏側を見せられ、地獄に誘われます。

 

オシノ 説かれた価値観が、何を否定しているか、
    それを見抜けば、背景が解かるわけですか?

 

マコト はい、否定すると、実感が漏れ出して、
    二元の世界観を、作り上げてしまいます。
    現在、この人界は、混沌を極めていますが、
    漏尽通を培えば、天人にさえ魅せられません。

 


 

ブンゴ あなたの縁により、導かれるのですか?
    積極的に、縁を作った方が、良いですか?
    布施や奉仕行などは、受け付けていますか?

 

マコト この社は、真理と向き合う場所であり、
    訪れる魂の、真理の縁のみで導かれます。
    どれだけ、自我を捧げることが出来たのか、
    それだけが、真我に導かれる条件になります。

 

    嘘が入り込む余地は、微塵も在り得ず、
    誰それの縁などは、全く役に立ちません。
    ここは、私の弁護が、聞き入れられる様な、
    甘い人界ではなく、真我が見ている神域です。

 

    私は、援けたくても、助けられません。
    誠心誠意、道を掃き清める、掃除人です。
    外からの声掛けが、有ろうと、無かろうと、
    全身全霊、内に臨んで下されば、嬉しいです。

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