ＣＡＳＥ　欲天　の裏に　色天

マナミ　欲界の天界、欲天って、どういうものなの？
マサシ　欲天とは、欲界の頂たる、欲界の天のことさ。
マナミ　どうすれば、欲界の神々に、生まれるのかな？
マサシ　欲に捕われて、悪を見とめず、善を積むのさ。
マナミ　思いのまま、至善を究めるとき、辿り着くの？
マサシ　そうだよ、欲の頂に至ったと、慢心するのさ。
マナミ　色界の天界、色天って、どういうものなの？
マサシ　色天とは、欲界を超えた、色界の天のことさ。
マナミ　どうすれば、色界の神々に、生まれるのかな？
マサシ　欲に囚われず、悪を見とめて、徳を積むのさ。
マナミ　在りのまま、自然に委ねるとき、辿り着くの？
マサシ　そうだよ、真の理を悟ったと、虚心になるよ。
マナミ　良くを究め、飽くを選ぶと、欲天に至るし、
　　　　良くを極めて、解くを択ぶと、色天に到るの？
マサシ　うん、良くが窮まり、飽き飽きしているのに、
　　　　それを、忘れるために、下に臨んで慢心する。
マナミ　あっ、下を見ながら、欲を適えてやろうかと、
　　　　下界に、干渉するのは、悪魔そのものだよね。
マサシ　うん、気づいちゃったか、欲界の主は悪魔さ。
マナミ　……………………

ＣＡＳＥ　欲天　の先に　色天

サトミ　欲界の神々、欲天って、どういうものかな？
メグミ　欲天とは、善行を重ねる、欲界の神のことよ。
サトミ　Ａは善いが、非Ａは悪いと、欲を重ねるの？
メグミ　自我を磨いて、善に捕われて、悪を憎むのよ。
サトミ　欲界の神が、欲界を見ると、どう見えるの？
メグミ　光と闇が、相互に戦い続ける、世に見えるよ。
サトミ　色界の神々、色天って、どういうものかな？
メグミ　色天とは、徳行を重ねる、色界の神のことよ。
サトミ　Ａも良いが、非Ａも良いと、徳を重ねるの？
メグミ　自然に委ねて、善に囚われず、悪を許すのよ。
サトミ　色界の神が、欲界を見ると、どう見えるの？
メグミ　昼と夜が、交互に巡り続ける、界に見えるよ。
サトミ　光は光のまま、闇は闇のままと、見るのか。
　　　　昼は夜になって、夜は昼になると、見るのか。
メグミ　前者と見ると、欲の世界を巡り続けるけど、
　　　　後者と見抜くと、徳の世界に抜け出せるのよ。
サトミ　う～ん、光が闇に変るなんて、嘘じゃない？
　　　　せっかく、善を積み重ねたのに、酷すぎるよ。
メグミ　勿体ないよね、だからこそ、抜け出せないの。
サトミ　……………………

ＣＡＳＥ　欲天　という　色天

サトシ　欲界の天人、欲天って、どういうものかな？
アツシ　欲天とは、善行を説いて、光を勧める天だな。
サトシ　欲界の神は、人間の世界を、どう見ているの？
アツシ　悪が有るから、善が苦しむと、見ているんだ。
サトシ　欲の神々は、欲界の人々に、どう教えるの？
アツシ　善悪の対立を、説き明かして、欲の天に誘う。
サトシ　楽は善のおかげ、苦は悪のせい、そう説くの？
アツシ　ああ、光を煽って、闇を憎ませて、光に誘う。
サトシ　色界の菩薩、色天って、どういうものかな？
アツシ　色天とは、徳行を解いて、空を進める天だな。
サトシ　色界の神は、人間の世界で、どう見ているの？
アツシ　善に拘るから、悪が生じると、見ているんだ。
サトシ　徳の菩薩は、欲界の人々に、どう教えるの？
アツシ　善悪の流転を、解き明かして、徳の天に導く。
サトシ　良くを持っても、飽きたら放せ、そう解くの？
アツシ　ああ、光を譲って、闇を照らして、空に導く。
サトシ　う～ん、闇と戦うのか、闇を抱き参らせるか。
　　　　一体、どっちを選んだら、僕は良いんだろう。
アツシ　菩薩は、煽りはしないから、飽きるまで悩め。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　色天なき欲天　と　欲天なき色天

サトミ　欲天と色天、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　良くを説く、欲天って、どういうものかな？
メグミ　欲天とは、苦に臨む者に、楽を望ませる神よ。
サトミ　解くを説く、色天って、どういうものかな？
メグミ　色天とは、苦に臨む者に、徳を望ませる神よ。
サトミ　欲天を望み、色天に臨まないと、どうなるの？
メグミ　色天なき欲天なんて、唯の愚母に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、鞭を与えないで、飴を授けるだけなの？
メグミ　そうよ、泣けば得になり、子は喚くばかりよ。
サトミ　色天を望み、欲天に臨まないと、どうなるの？
メグミ　欲天なき色天なんて、只の厳父に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、飴を授けないで、鞭を与えるだけなの？
メグミ　そうよ、泣けば損になり、子は黙るばかりよ。
サトミ　欲天だけでは、人が甘えて、泣き喚くだけ。
　　　　色天ばかりでは、人が耐えて、押し黙るだけ？
メグミ　うん、欲天と色天、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、色天を究め、欲天を極めていくの？
メグミ　そうなの、欲天を超え、色天を越えていくの。
サトミ　……………………！！