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物語編

第四章 第二十話 概念編

第四章    慈無量心
第二十回 自愛 の裏に 他愛

 

瞋恚は、危める思い、欲界に至る心のこと
慈愛とは、愛する想い、色界に到る心のこと
瞋恚は、許すまいとする、憎しみの思いであり
慈愛とは、憎むまいとする、慈しみの想いである

 

自愛とは、心から慈しむ、慈愛の型のこと
他愛なき自愛では、単なる自己愛に過ぎない
他愛の心が無いなら、自愛の心は冷めてしまう
周りまで愛する想いが、自らを愛する思いとなる

 

他愛とは、他まで愛する、慈愛の形のこと
自愛なき他愛では、単なる偏執愛に過ぎない
自愛の心が無いなら、他愛の心は褪めてしまう
自ずから愛する思いが、他まで愛する想いになる

 

初禅天とは、慈愛を司る、慈無量心の色界
慈しむと開かれて、愛さないとき閉ざされる
瞋恚の段は、自愛を認めない、他愛を認めない
慈愛の階では、他愛を見とめる、自愛を見とめる

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