物語編
第四章 第三十話 物語編
第四章 自尊 と 卑屈
第三十話 優位を比べる と 劣位を較べる
「第四、君らは、決して、嘘を吐いてはならぬ。
我が言を欺く者は、必ずや、自らの霊に瞞かれて、
人々の言を守る者は、必ずや、自身の霊も護られる。」
すると、別の者が、立ち上がり、静かに尋ねた。
〈我が師よ、神を騙って、神を語らない者がいる。
これに関して、どのように、考えれば良いだろうか。〉
「神の言を、守りたいなら、霊言を断ちなさい。
断てない者が、絶たずに済む、根拠を説くだろう。
我が神こそ、至高神であり、他の神は邪まであると。」
〈師よ、予言を説く依り代は、どう考えるのか。〉
「自らは、仏の道を進んで、今の時を念じなさい。
其れ故、仏の道を選んでない、他の者に委ねなさい。」
〈師よ、預言を説く憑り代は、どう考えるのか。〉
「自らは、神の道を勧めて、神懸りを離れなさい。
其れ故、神の道を択んでない、他の者に任せなさい。」
〈不妄語の戒、一斉に守る事は、出来ないのか。〉
「出来ない、選ばれない民の上に、仏の道に臨む。
択ばれた事を、有り難く受け止めて、神の道を望め。」