ＣＡＳＥ　満足　の裏に　不満

マナミ　ねぇ、プレータ、餓鬼は、どういうものなの？
マサシ　餓鬼は、欲界の第四層、欲望の世界のことさ。
マナミ　欲望の良い所、満足って、どういうものなの？
マサシ　満足とは、満ち足りて、欲望を楽しむことさ。
マナミ　適切に、望みが叶うから、自ずから楽しむの？
マサシ　うん、満足感に浸り切って、楽しんでしまう。
マナミ　欲望を、楽しんでいると、捕われてしまうの？
マサシ　そうだよ、欲望を望むから、餓鬼に臨むのさ。
マナミ　欲望の悪い処、不満って、どういうものなの？
マサシ　不満とは、満ち足りず、欲望に苦しむことさ。
マナミ　不適に、望みが叶うから、自ずから苦しむの？
マサシ　うん、不満感に振り切って、苦しんでしまう。
マナミ　欲望に、苦しんでいると、囚われなくなるの？
マサシ　そうだよ、欲望に厭くから、餓鬼が空くのさ。
マナミ　満足を、楽しんだだけ、不満に苦しんだら、
　　　　自ずから、欲望の世界を、乗り越えられるの？
マサシ　そうさ、餓鬼で学ぶことを、学び終えるのさ。
マナミ　わたしは、満ち足りているし、必要ないの。
マサシ　そんなこと、言っていると、餓鬼に嵌まるよ。
マナミ　……………………

ＣＡＳＥ　満足　の先に　不満

サトミ　欲を満たす、満足って、どういうものかな？
メグミ　満足とは、貪欲を持って、欲を楽しむことよ。
サトミ　欲に溺れて、良くを得ると、どうなるのかな？
メグミ　欲を集め、我が喜ぶから、貪欲が強くなるよ。
サトミ　欲を張らす、不満って、どういうものかな？
メグミ　不満とは、貪欲を以って、欲に苦しむことよ。
サトミ　欲が転じて、飽くを得ると、どうなるのかな？
メグミ　欲を集め、我が憂うから、貪欲が弱くなるよ。
サトミ　つまり、我が楽しめるなら、欲が強くなり、
　　　　強すぎて、我を苦しめるなら、欲が弱くなる？
メグミ　そうよ、器に収まるまでは、楽しめるけど、
　　　　多すぎて、器を溢れてくると、苦しめられる。
サトミ　じゃあ、欲を満たす貪りで、楽しんでいると、
　　　　同じだけ、欲を張らす貪りで、苦しむわけか。
メグミ　そうよ、最初から最後まで、餓鬼の世界を、
　　　　まるごと、経験したとき、この仕組が解るよ。
サトミ　そっか、すべて認めないと、悟れないわけね。
　　　　厭いたり、飽いていたり、していたらダメか。
メグミ　うふっ、それが得意だから、餓鬼に生れるの。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　満足　という　不満

サトシ　欲の良い面、満足って、どういうものかな？
アツシ　満足とは、良いと思って、欲を満たすことだ。
サトシ　実際に、良くを満たし、良いと想えるのかな？
アツシ　思えない、それゆえ、少しずつ我が強くなる。
サトシ　じゃあ、良くを望んで、飽くに臨まないの？
アツシ　そうだな、飽くを認めず、我を守ろうとする。
サトシ　欲の悪い面、不満って、どういうものかな？
アツシ　不満とは、良いと想って、欲が飢えることだ。
サトシ　実際に、良くが飢えて、良いと思えるのかな？
アツシ　想えない、それゆえ、少しずつ我が弱くなる。
サトシ　じゃあ、飽くに臨んで、良くを望まないの？
アツシ　そうだな、厭きを認めて、我を壊そうとする。
サトシ　つまり、祈願するほど、満足と不満が生じて、
　　　　どんどん、餓鬼の世界に、巻き込まれるのか。
アツシ　そうだ、我が良くを適えて、貪欲を楽しむが、
　　　　そのうち、我が飽くも叶えて、貪欲に苦しむ。
サトシ　そっか、飢餓感を抱き、苦しみたくなければ、
　　　　それこそ、膨満感を擁き、楽しまないことか。
アツシ　そうだ、それが解れば、餓鬼に魅入られない。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　不満なき満足　と　満足なき不満

サトミ　満足と不満、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　餓鬼の入口、満足って、どういうものかな？
メグミ　満足とは、貪欲を持って、欲が満ちることよ。
サトミ　餓鬼の出口、不満って、どういうものかな？
メグミ　不満とは、貪欲を以って、欲が飢えることよ。
サトミ　満足を望み、不満に臨まないと、どうなるの？
メグミ　不満なき満足なんて、道が塞がるだけだよ。
サトミ　じゃ、欲が飢えないと、業を摘めないのかな？
メグミ　そうよ、業が詰まるから、誰も通れなくなる。
サトミ　不満を望み、満足に臨まないと、どうなるの？
メグミ　満足なき不満なんて、道が廃れるだけだよ。
サトミ　じゃ、欲が満ちないと、業を積めないのかな？
メグミ　そうよ、業が消えるから、誰も通らなくなる。
サトミ　満足だけでは、積み過ぎて、飽いてしまい、
　　　　不満ばかりでは、摘み過ぎて、空いてしまう。
メグミ　うん、満足と不満、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、不満を究め、満足を極めていくの？
メグミ　そうなの、満足を超え、不満を越えていくの。
サトミ　……………………！！