ＣＡＳＥ　自尊　の裏に　卑屈

マナミ　ねぇ、マヌシャ、人間は、どういうものなの？
マサシ　人間は、欲界の第三層、比較の世界のことさ。
マナミ　比較の良い所、自尊って、どういうものなの？
マサシ　自尊とは、自ら誇って、比較を楽しむことさ。
マナミ　我こそ、特別な存在だと、自ずから楽しむの？
マサシ　うん、優越感に浸り切って、楽しんでしまう。
マナミ　比較を、楽しんでいると、捕われてしまうの？
マサシ　そうだよ、比較を望むから、人間に臨むのさ。
マナミ　比較の悪い処、卑屈って、どういうものなの？
マサシ　卑屈とは、自ら屈して、比較に苦しむことさ。
マナミ　我だけ、例外な存在だと、自ずから苦しむの？
マサシ　うん、劣等感に振り切って、苦しんでしまう。
マナミ　比較に、苦しんでいると、囚われなくなるの？
マサシ　そうだよ、比較に厭くから、人間が空くのさ。
マナミ　自尊を、楽しんだだけ、卑屈に苦しんだら、
　　　　自ずから、比較の世界を、乗り越えられるの？
マサシ　そうさ、人間で学ぶことを、学び終えるのさ。
マナミ　私よりも、学ぶべき人が、他に沢山いるの。
マサシ　そんなこと、言っていると、人間に嵌まるよ。
マナミ　……………………

ＣＡＳＥ　自尊　の先に　卑屈

サトミ　尊く捕える、自尊って、どういうものかな？
メグミ　自尊とは、貪欲を持って、差を楽しむことよ。
サトミ　他と比べて、良いと思うと、どうなるのかな？
メグミ　差を集め、我が喜ぶから、貪欲が強くなるよ。
サトミ　卑く捉える、卑屈って、どういうものかな？
メグミ　卑屈とは、貪欲を以って、差に苦しむことよ。
サトミ　他と較べて、悪いと想うと、どうなるのかな？
メグミ　差を集め、我が憂うから、貪欲が弱くなるよ。
サトミ　つまり、我が楽しめるなら、差が強くなり、
　　　　強すぎて、我を苦しめるなら、差が弱くなる？
メグミ　そうよ、器に収まるまでは、楽しめるけど、
　　　　多すぎて、器を溢れてくると、苦しめられる。
サトミ　じゃあ、良く集める貪りで、楽しんでいると、
　　　　同じだけ、悪く集める貪りで、苦しむわけか。
メグミ　そうよ、最初から最後まで、人間の世界を、
　　　　まるごと、経験したとき、この仕組が解るよ。
サトミ　そっか、すべて認めないと、悟れないわけね。
　　　　偏ったり、頼っていたり、していたらダメか。
メグミ　うふっ、それが得意だから、人間に生れるの。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　自尊　という　卑屈

サトシ　差の良い面、自尊って、どういうものかな？
アツシ　自尊とは、良いと思って、高く捕えることだ。
サトシ　実際に、格上に捉えて、良いと想えるのかな？
アツシ　思えない、それゆえ、少しずつ我が強くなる。
サトシ　じゃあ、特別を拝して、平等を認めないの？
アツシ　そうだな、対等を認めず、我を守ろうとする。
サトシ　差の悪い面、卑屈って、どういうものかな？
アツシ　卑屈とは、良いと想って、低く捉えることだ。
サトシ　実際に、格下と捕えて、良いと思えるのかな？
アツシ　想えない、それゆえ、少しずつ我が弱くなる。
サトシ　じゃあ、例外を排して、平等を認めるのかな？
アツシ　そうだな、対等を認めて、我を壊そうとする。
サトシ　つまり、比較するほど、自尊と卑屈が生じて、
　　　　どんどん、人間の世界に、巻き込まれるのか。
アツシ　そうだ、我を特別と捕えて、比較を楽しむが、
　　　　そのうち、我を例外と捉えて、比較に苦しむ。
サトシ　そっか、劣等感を抱き、苦しみたくなければ、
　　　　それこそ、優越感を擁き、楽しまないことか。
アツシ　そうだ、それが解れば、人間に魅入られない。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　卑屈なき自尊　と　自尊なき卑屈

サトミ　自尊と卑屈、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　人間の入口、自尊って、どういうものかな？
メグミ　自尊とは、貪欲を持って、高く捕えることよ。
サトミ　人間の出口、卑屈って、どういうものかな？
メグミ　卑屈とは、貪欲を以って、低く捉えることよ。
サトミ　自尊を望み、卑屈に臨まないと、どうなるの？
メグミ　卑屈なき自尊なんて、道が塞がるだけだよ。
サトミ　じゃ、低く捉えないと、業を摘めないのかな？
メグミ　そうよ、業が詰まるから、誰も通れなくなる。
サトミ　卑屈を望み、自尊に臨まないと、どうなるの？
メグミ　自尊なき卑屈なんて、道が廃れるだけだよ。
サトミ　じゃ、高く捕えないと、業を積めないのかな？
メグミ　そうよ、業が消えるから、誰も通らなくなる。
サトミ　自尊だけでは、積み過ぎて、飽いてしまい、
　　　　卑屈ばかりでは、摘み過ぎて、空いてしまう。
メグミ　うん、自尊と卑屈、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、卑屈を究め、自尊を極めていくの？
メグミ　そうなの、自尊を超え、卑屈を越えていくの。
サトミ　……………………！！