ＣＡＳＥ　欲　の裏に　慢

マナミ　ねぇ、カーマ、欲って、どういうものなの？
マサシ　欲とは、上を望んでいる、人々の煩悩なのさ。
マナミ　どうして、地上の人々って、欲に溺れ易いの？
マサシ　下に居ると、上の方が開いて、見えるからさ。
マナミ　地の人は、満足を抱くより、不満を懐くの？
マサシ　そうさ、上ばかり見ていると、欲に捕われる。
マナミ　じゃ、マーナ、慢って、どういうものなの？
マサシ　慢とは、下に臨んでいる、神々の煩悩なのさ。
マナミ　どうして、天上の神々って、慢に溺れ易いの？
マサシ　上に居ると、上の方が閉じて、見えるからさ。
マナミ　天の神は、虚心を懐くより、慢心を抱くの？
マサシ　そうさ、下ばかり見ていると、慢に囚われる。
マナミ　地で修める人々は、欲に捕われやすいけど、
　　　　地上を治める神々は、慢に囚われやすいのね？
マサシ　そうさ、天上の神々も、次に臨むべきなのさ。
マナミ　でも、これ以上、上が無いのに、何を望むの？
マサシ　そういう発想では、欲の世界を越えられない。
マナミ　上を望む訳でもなく、下に臨む訳でもないの？
マサシ　欲を越え、在りのまま、徳の世界に臨むのさ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　欲　の先に　慢

サトミ　人々が捕われる、欲って、どういうものかな？
メグミ　欲は、天の道を修めている、人間の煩悩だよ。
サトミ　つまり、下から上を望むとき、欲が生じるの？
メグミ　うん、上から下に臨むとは、思ってないのよ。
サトミ　神々が囚われる、慢って、どういうものかな？
メグミ　慢は、地の人を治めている、天人の煩悩だよ。
サトミ　つまり、上から下に臨むとき、慢が生じるの？
メグミ　うん、下から上を望むとは、想ってないのよ。
サトミ　じゃあ、欲と慢って、同時に、持てないの？
メグミ　まだ、不十分って、思っていて、満足できる？
サトミ　ううん、満足してないで、適えたいと思うわ。
メグミ　もう、十分だって、想っていて、追求できる？
サトミ　ううん、満足していて、叶えたいと想わない。
メグミ　うん、だから、欲も慢も、抱いている限り、
　　　　それは、自然じゃないから、上手く行かない。
サトミ　じゃ、上を見て嫉妬して、下を見て安堵する。
　　　　そんな風に見ていたら、上手く行かないのね。
メグミ　うふっ、あなたは、そんな風に見ていたの？
　　　　大丈夫よ、わたしは、そんな風に見ないから。
サトミ　……………………

ＣＡＳＥ　欲　という　慢

サトシ　地の人の煩い、欲って、どういうものかな？
アツシ　欲とは、我が欲を持って、良くを望むことだ。
サトシ　地の人が、上の方を望むと、どうなるのかな？
アツシ　地から上は、開いているから、気が晴れるな。
サトシ　地の人が、下の方に臨むと、どうなるのかな？
アツシ　地から下は、閉じているから、気が滅いるな。
サトシ　天の神の悩み、慢って、どういうものかな？
アツシ　慢とは、我が欲を以って、飽くに臨むことだ。
サトシ　天の神が、上の方を望むと、どうなるのかな？
アツシ　天から上は、閉じているから、気が滅いるな。
サトシ　天の神が、下の方に臨むと、どうなるのかな？
アツシ　天から下は、開いているから、気が晴れるな。
サトシ　ということは、欲を持って、気を晴らす限り、
　　　　下から上に、上から下に、欲が巡り続けるの？
アツシ　そうだな、気を晴らすため、欲を満たす限り、
　　　　昇天と堕天、繰り返して、欲の界は保たれる。
サトシ　元を辿ったら、人は神であり、神は人である。
　　　　この真実を、悉く認めたら、気が滅入らない？
アツシ　それゆえ、必ず漏らして、気を晴らすわけだ。
サトシ　……………………

ＣＡＳＥ　慢のない欲　と　欲のない慢

サトミ　欲と慢、どちらの方を、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　地の人が抱く、欲って、どういうものかな？
メグミ　欲とは、開いている、上の方を望むことだよ。
サトミ　天の人が擁く、慢って、どういうものかな？
メグミ　慢とは、開いている、下の方に臨むことだよ。
サトミ　欲を重んじて、慢を軽んじると、どうなるの？
メグミ　慢のない欲なんて、上がり切ってないだけよ。
サトミ　じゃ、飽きないのは、充ちていないだけなの？
メグミ　そうよ、満ち足りたら、慢を擁きたくなるよ。
サトミ　慢を重んじて、欲を軽んじると、どうなるの？
メグミ　欲のない慢なんて、下がり切ってないだけよ。
サトミ　じゃ、空きないのは、堕ちていないだけなの？
メグミ　そうよ、落ち着いたら、欲を抱きたくなるよ。
サトミ　欲だけでは、未だ足りず、飽きを知らない。
　　　　慢ばかりでは、落ち着かず、空きを知らない？
メグミ　そうよ、欲と慢、その両方が、必要になるの。
サトミ　じゃ、慢を究めながら、欲を極めていくの？
メグミ　うふっ、欲を超えながら、慢を越えていくの。
サトミ　……………………！！