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物語編

第四章 第三四話 対話編

CASE 病気 の裏に 正気

 

マナミ 気が病むこと、病気って、どういうものなの?
マサシ 病気とは、管が詰って、気が巡らないことさ。
マナミ 業が詰んで、気が滞ると、どのようになるの?
マサシ 気が塞ぎ、ストレスが現れ、苦が生じるのさ。
マナミ 気を正すこと、正気って、どういうものなの?
マサシ 正気とは、管が通って、気が滞らないことさ。
マナミ 業が解けて、気が巡ると、どのようになるの?
マサシ 気が晴れ、ストレスが消え、空を招じるのさ。
マナミ つまり、苦を越えただけ、器が大きくなるの?
マサシ うん、管が太くなって、苦の許容量が増えて、
    さらに、大きな気が、巡って来るようになる。
マナミ じゃ、ストレスを発散すると、どうなるの?
マサシ 確かに、気を漏らせば、ストレスは和らぐよ。
    でも、詰ったままだから、いずれ苦しくなる。
マナミ 病気が、再発するのは、治ってないからなの?
マサシ うん、気を紛らわせ、症状を抑え込んだのさ。
マナミ そっか、撒き散すのは、薬でも出来るけど、
    一方、気を治すのは、本人にしか出来ないの?
マサシ そうさ、生き方を改め、気を正すしかないよ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 病気 の先に 正気

 

サトミ 気が病める、病気って、どういうものかな?
メグミ 病気とは、業が偏るから、苦が生じることよ。
サトミ 管が詰まり、気が滞るから、苦しくなるの?
メグミ 痛みが生じて、体を患うから、気が晴れない。
サトミ 気が正しい、正気って、どういうものかな?
メグミ 正気とは、業が直るから、空が生じることよ。
サトミ 管が通って、気が巡るから、苦しくないの?
メグミ 傷みが消えて、体が治るから、気が晴れるよ。
サトミ じゃあ、病気は、偏りを教える、先生なの?
メグミ うん、それ以上に、偏らないように教えるの。
    痛みで、それ以上は、出来なくなるようにね。
サトミ 悔い改めて、偏りを直したら、どうなるの?
メグミ 器に修めると、楽が生じて、気が晴れるのよ。
サトミ 痛みを除き、偏りを続けたら、どうなるの?
メグミ 器に入らない、苦が生じて、気が滅入るのよ。
サトミ 薬に頼って、悔い改めないと、本末転倒か。
メグミ そうだよ、先延ばしにしている、だけだから。
サトミ そっか、早く気が付いて、改めた方が良いね。
メグミ うん、前向きに学べば、身も心も痛まないよ。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 痛み と 呆け と 腫れ

 

サトシ 瞋恚の病気、痛みって、どういうものかな?
アツシ 痛みとは、怒りが高じて、痛め過ぎる病だな。
サトシ 痛みは、外を攻めていたら、内まで責めるの?
アツシ そうだな、他を排す余り、我を廃してしまう。
サトシ 愚痴の病気、呆けって、どういうものかな?
アツシ 呆けとは、迷いが高じて、逃げ過ぎる病だな。
サトシ 迷いは、理に叛いていたら、利まで背くの?
アツシ そうだな、楽を望む余り、苦に臨んでしまう。
サトシ 貪欲の病気、腫れって、どういうものかな?
アツシ 腫れとは、貪りが高じて、集め過ぎる病だな。
サトシ 貪りは、利を収めていたら、害まで納めるの?
アツシ そうだな、得を喜ぶ余り、損を歓んでしまう。
サトシ つまり、偏り過ぎていると、教えてくれる、
    病気って、有り難い先生、そういうことかな?
アツシ その通りだ、病気から学び、偏りを改めれば、
    慢性に至らず、その役を終え、去ってくれる。
サトシ だからこそ、薬剤や手術で、抑え込んでも、
    病気って、何度だろうと、再発するわけだね。
アツシ そうだ、有り難く頂き、帰って戴けば良いな。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 正気なき病気 と 病気なき正気

 

サトミ 病気と正気、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 気が詰まる、病気って、どういうものかな?
メグミ 病気とは、思いが偏って、業が固まることよ。
サトミ 気が流れる、正気って、どういうものかな?
メグミ 正気とは、想いが直って、業が溶けることよ。
サトミ 病気を望み、正気に臨まないと、どうなるの?
メグミ 正気なき病気なんて、病気と気づけないのよ。
サトミ じゃ、気が詰まるから、気に為らなくなるの?
メグミ それを、有り触れてると、思ってしまうのよ。
サトミ 正気を望み、病気に臨まないと、どうなるの?
メグミ 病気なき正気なんて、正気と気づけないのよ。
サトミ じゃ、気が流れるから、気に留めなくなるの?
メグミ それを、有り難いものと、想えなくなるのよ。
サトミ 病気だけは、病気を省みる、正気が無いし、
    正気ばかりは、正気を顧みる、病気が無いの?
メグミ うん、病気と正気、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、正気を介し、病気を解していくの?
メグミ そうなの、病気を透し、正気を徹していくの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 管 と 風 と 滴

 

マナミ ねぇ、ナーディ、管って、どういうものなの?
マサシ 管とは、体を網羅する、気の通り道のことさ。
マナミ じゃ、プラーナ、風って、どういうものなの?
マサシ 風とは、体を循環する、管を通る気のことさ。
マナミ じゃ、ビンドゥ、滴って、どういうものなの?
マサシ 滴とは、体に滞在する、気で動く心のことさ。
マナミ 即ち、管を通って、気が動くと、心が動くの?
マサシ 管が詰り、気が滞ると、心は重くなるけど、
    管が通って、気が巡ると、心は軽くなるのさ。
マナミ それなら、管が詰るのって、どういうとき?
マサシ Aは善いが、非Aは悪いって、偏ったときさ。
マナミ それなら、管が通るのって、どういうとき?
マサシ Aも良いが、非Aも良いって、直ったときさ。
マナミ つまり、管の詰まりの正体って、カルマなの?
    カルマを、積めば詰まるし、越えれば通るの?
マサシ そうさ、偏れば偏るほど、心身が病んできて、
    逆に、直れば直るほど、身心が健やかになる。
マナミ そっか、何か腑に落ちて、意識がスッとした。
マサシ うん、まさに、それが、管が通った証なのさ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 異常と捕える と 正常と捉える

 

サトミ 体が熱い、体温が高いから、薬を飲まないと。
メグミ ううん、体温が上るのは、体が求めるからよ。
    無理やり、薬を飲んで、下げない方が良いよ。
サトミ こんな、体温が高いのは、正常じゃないわ。
    飲まずに、放置したら、異常が進んじゃうよ。
メグミ 体の変化を、異常と見ると、病気になるし、
    身体の変化を、適応と見ると、正気になるよ。
サトミ それって、どういう事かな、訳が解からない。
メグミ 病気は、正気を教えてくれる、先生なのよ。
    病気から、しっかり学べば、元気になれるの。
サトミ うそよ、そんな考え方するの、異常じゃない。
メグミ それなら、こんな風に次は、考えてみようよ。
    病気は、元気になろうとする、反応かもって。
サトミ じゃ、身体を治そうとして、熱を上げるけど、
    すこし、遣り過ぎてしまって、病気になるの?
メグミ うん、本人が問題に、気づいてくれないから、
    病気が、必死になって、教え過ぎているだけ。
サトミ なるほど、そう考えれば、何となく解かるよ。
メグミ うふっ、教え過ぎなくても、適応が出来たね。
サトミ ……………………!!

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