物語編
第四章 第三八話 概念編
第四章 布施波羅蜜
第三八回 寂止 の裏に 正観
寂止は、闇が消えて、心が静かになること
正観とは、光が現れて、心が明るくなること
寂止は、煩悩を諦らめて、心を止めていくこと
正観とは、菩提を明らめて、心が観えてくること
例えば、十を持てる者が、十を与えた場合
たしかに、他が受ける量は、多く見えないが
全て施して、自ら与える量は、多く見えている
徳が積まれて、器が広がり、心が動じにくくなる
例えば、万を持てる者が、百を与えた場合
なるほど、自ら与える量は、多く見えないが
多く施して、他が受ける量は、多く見えている
善が積まれて、光が現われ、心が観えやすくなる
布施波羅蜜とは、闇が消えて、光が現れる
寂止が究められると、正観に極められること
寂止の段は、闇が空になる、積徳の果報であり
正観の階では、空が光になる、積善の果報である